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愛の妙薬
愛の妙薬
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愛の妙薬

嘘の薬とまことの恋 幸せな気持ちになれる ロマンティック・コメディ!

愛の妙薬

あらすじ

純朴な農夫ネモリーノは村一番の美人で才女のアディーナに夢中。軍曹のベルコーレがやってきて彼女を口説くので、ネモリーノも勇気をふるって告白するが相手にされない。そこへインチキ薬売りドゥルカマーラが登場、「愛の妙薬」と称して安物のワインを彼に売りつける。酔っぱらったネモリーノは急に強気になるが、逆に怒ったアディーナは当てつけにベルコーレと結婚することに。ネモリーノはさらに妙薬を買うお金を得るために軍隊に入隊する。その姿に心を打たれたアディーナはネモリーノに愛を告白、二人は結ばれる。

喜劇に加えた悲劇の隠し味が生み出した傑作「愛の妙薬」

ドニゼッティの時代はロマン派の悲劇的なオペラが流行し、彼の「ルチア」はそのジャンルの傑作として知られています。スコットランドを舞台に、家の仇である恋人との間を裂かれ、政略結婚を強いられたヒロインが正気を失って死んでしまう物語です。
ドニゼッティが「ルチア」の前にミラノ・スカラ座でやはり悲劇的なオペラ「アンナ・ボレーナ」「パリ伯爵ウーゴ」などを書いていた時期、ミラノの別の劇場の支配人から、「急ぎでコミカルなオペラを書いて欲しい!」という注文が入ります。題材もすでに、フランスの既存の喜劇オペラを翻案すると決まっていました。台本を書いたフェリーチェ・ロマーニが当時、随一の詩人だったこともあり、たった数週間で完成した「愛の妙薬」は、オペラ史に残る大傑作となります。
ドニゼッティは「愛の妙薬」に、彼の悲劇的なオペラとも共通したリアルで感傷的な表現を持ち込みました。第2幕でアディーナはドゥルカマーラから、ネモリーノが惚れ薬を買うために兵隊に志願したことを聞き、これまで邪険に扱ってきた彼が自分をどれほど真剣に愛していたのかを知って感激します。主人公たちのドラマチックな感情の動きが幸せな結末につながる。ドニゼッティの腕が冴え渡る名場面です。

Digest Movie

  • 【作曲】ガエターノ・ドニゼッティ/1832年
  • 【台本】フェリーチェ・ロマーニ(イタリア語)
  • 【初演】1832年5月12日/ミラノ/カノッビアーナ劇場
  • 【制作】新国立劇場2010年
  • 【構成】全2幕/約2時間10分
  • 【演出】チェーザレ・リエヴィ
  • 【美術】ルイジ・ペーレゴ
  • 【衣裳】マリーナ・ルクサルド
  • 【照明】立田雄士
  • セビリアの理髪師
  • 愛の妙薬
  • ファルスタッフ
  • コジ・ファン・トゥッテ
  • フィガロの結婚
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