トップへ戻る
トゥーランドット
トゥーランドット
トゥーランドット
トゥーランドット

氷のような姫君の心を溶かす愛プッチーニの大スペクタクル・オペラTurandot & Ryuプッチーニの大スペクタクル・オペラTurandot & Ryu

トゥーランドット

あらすじ
伝説時代の中国・北京。絶世の美女だが氷のように冷酷な心を持つトゥーランドット姫の夫となる条件は3 つの謎を解くことだが、解けなければ斬首の刑である。姫に一目ぼれした王子カラフは全ての謎を見事に解き明かす。しかし誰のものにもなりたくないと姫が動揺したため、カラフは「翌朝までにわが名を当てれば私は死にましょう」と約束する。カラフの名を知る女奴隷リューは捕らえられて拷問を受けるが、カラフに片思いをしていたリューは口を閉ざしたまま姫の前で自害する。真実の愛に目覚めた姫はカラフの名を愛だと叫び、二人は抱き合う。
ヒロインのご紹介
トゥーランドット

女性の二面性を象徴的に表現した
2人のヒロイン

トゥーランドットとリューは、女性の二面性を象徴的に表現している、コインの表と裏のような存在だといわれることがあります。トゥーランドット姫の物語は、元を辿れば1712 年にフランスで出版されたペティ・ド・ラ・クロワの『千一日物語』から来ています。高貴な姫の出す謎を解いた王子が彼女と結婚できるが、正解できなかったものは首を刎ねられるというおとぎ話でした。しかし、王子をひそかに愛する女奴隷リューの自己犠牲によって、カラフ王子とトゥーランドット姫が結ばれるという設定はプッチーニのオペラのみです。
『トゥーランドット』はプッチーニが初めておとぎ話をオペラにしようと試みた作品でした。リアルな女性の心理を描くこと、特に彼女らの恋愛を描くことに卓越していたプッチーニにとって、『トゥーランドット』のようなファンタジーを描くことは難しかったようです。音楽的にいっても、この作品は二人のヒロインが重要さを分け合っています。第一幕最後にリューに与えられた叙情的なアリア。第二幕から登場するトゥーランドットの強い声が必要となるアリア。第三幕はカラフの有名な「誰も寝てはならぬ」の後で、リューの絶唱と死の場面があります。プッチーニがこのオペラの作曲を終わらせることができなかったのは、病気のためではなく、結末に納得できなかったためとする学説もあります。確かなことは、未完ではあっても『トゥーランドット』という作品の素晴らしさは誰もが認めるものであるということです。

Digest Movie

  • 【作曲】ジャコモ・プッチーニ/1920~24年
    フランコ・アルファーノ補筆
  • 【原作】カルロ・ゴッツィ『トゥーランドット』
  • 【台本】レナート・シモーニ/
    ジュゼッペ・アダーミ(イタリア語)
  • 【初演】1926年4月25日/ミラノ/スカラ座
  • 【制作】新国立劇場/東京文化会館 2019年
  • 【構成】3幕/約2時間
  • 【演出】アレックス・オリエ
  • 【美術】アルフォンス・フローレス
  • 【衣裳】リュック・カステーイス
  • 【照明】ウルス・シェーネバウム