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演出家 ピエール・オーディ氏逝去の報を受けて

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演出家 ピエール・オーディ氏ご逝去の報に接し、謹んでお悔み申し上げます。

2023年『シモン・ボッカネグラ』(フィンランド国立歌劇場、テアトロ・レアル共同制作)の野心的演出の世界初演をここ新国立劇場で行って以来、あまりにも早く悲しい、突然の訃報が届きました。オーディ氏は5月3日に急逝されたとのことです。
フランス系レバノン人演出家ピエール・オーディ氏(享年67歳)は、ロンドンで学んだ後1979年にアルメイダ劇場を創設、その後1989年から30年間に渡りオランダ国立オペラの芸術監督を務め、現在はエクサンプロヴァンス音楽祭総監督及びニューヨークのパーク・アベニュー・アーモリー芸術監督を務めていました。

オーディ氏の革新的な演出、ジャンルを超えた芸術家たちとの刺激的なコラボレーションは常に高く評価され、『シモン・ボッカネグラ』でも現代美術家アニッシュ・カプーアと協働した大胆な演出が、国内外で大きな話題となりました。

ここに謹んでオーディ氏のご功績に敬意を表すと共に、哀悼の意を表します。どうぞ安らかにお眠りください。



ピエール・オーディ氏のあまりにも突然の訃報に、言葉を失っております。一昨年の『シモン・ボッカネグラ』では、登場人物の心の陰影を写し出す実に美しい舞台を体現してくれました。

その折に、一緒に和食を共にしながら、沢山の未来のプロダクションについて語り合いました。

多文化に根ざした深い教養を持つオーディ氏は、日本滞在で日本文化に大変感激し、次回の新国立劇場での再登場にただならぬ意欲を示されておられました。

心からお悔やみ申し上げます。

大野和士




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『シモン・ボッカネグラ』第1幕より
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『シモン・ボッカネグラ』第3幕より



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リハーサル中のピエール・オーディ氏(左)
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オペラトークで作品論を交わすピエール・オーディ氏、大野和士芸術監督