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舞台照明家 奥畑康夫氏 ご逝去の報を受けて

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2021年1月15日、現在上演中のオペラ『トスカ』などを手がけた舞台照明家の奥畑康夫氏が逝去されました。

奥畑氏は舞台照明会社に入社した後、アート・ステージライティング・グループに入り吉井澄雄、沢田祐二に師事、演劇、オペラ、舞踊の照明を学びました。

1979年の藤原歌劇団『ラ・ボエーム』(粟國安彦演出)の照明デザインを担当した後はオペラを中心に活動され、国内外で数々の公演の照明デザインを手がけると共に、バイロイト祝祭劇場、ローマ歌劇場、ネザーランド・ダンスシアター、ケルン歌劇場などの海外からの引越公演にも照明監督として数多く参加されました。

新国立劇場では、開場記念公演『アイーダ』(ゼッフィレッリ演出)を皮切りに、『ナブッコ』(マダウ=ディアツ演出、98年)、『セビリアの理髪師』(マエストリ―ニ演出、98年/粟國淳演出、2000年)、『こうもり』(寺崎裕則演出、99年)、『仮面舞踏会』(ファッシーニ演出、99年)、『マノン・レスコー』(マエストリーニ演出、99年)、『トスカ』(マダウ=ディアツ演出、2000年)、オペラ研修所発表公演『ドン・ジョヴァンニ』(コッラーディ演出、2000年)と数多くの作品で照明デザインを手がけました。

また、地域招聘公演として上演した札幌室内歌劇場『月を盗んだ話』(中津邦仁演出)、長崎オペラ協会『いのち』(星出豊演出)の照明も担当しました。

中でも、古代エジプトの壮大な歴史スペクタクル『アイーダ』と、ローマの教会と宮殿をドラマティックに展開させる『トスカ』は、いずれも新国立劇場でも最も人気のあるレパートリーとして繰り返し再演され、オペラを初めて観る方にも、何度も繰り返し観ている方にも広く愛されています。

ここに謹んで奥畑氏のご功績に敬意を表すとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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開場記念公演「アイーダ」(1998年1月)より 

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2000/2001シーズン開幕公演『トスカ』(2000年9月)より 

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『アイーダ』カーテンコールに登場した奥畑康夫氏

(右から3番目 右隣はゼッフィレッリ氏)