高校生のためのオペラ鑑賞教室 「嘘の薬」と「まことの恋」ベルカント・オペラの傑作 愛の妙薬 L'elisir d'amore Gaetano Donizetti

What is opera? オペラとは

オペラって何?
オペラとは、登場人物の台詞をすべて「歌うこと」で表現してストーリーが進行する、「ドラマと音楽が融合した総合芸術」です。
音楽だけでなく、ドラマ、舞台芸術、衣裳、照明など、ありとあらゆる芸術の要素が集結した総合舞台芸術です。

オペラの美しい音楽は、オーケストラによって生演奏されます。オーケストラは舞台前方にあるオーケストラピットで演奏します。オペラ歌手やオーケストラを束ねるのは、指揮者(マエストロ)です。指揮者の指揮に従って、オペラは進行していきます。
基本的にオペラ歌手はマイクを使いません。どんなに大きな会場でも、「生の声」で歌を届けます。オペラの発声法で歌うと、1700人も入る大きな劇場の隅から隅まで生の声が響くのです。そんなライブ感覚がオペラの大きな魅力のひとつです。ぜひ劇場でその声の迫力を体験してみてください。
オーケストラとオペラ歌手

16世紀の末、イタリアのフィレンツェでギリシア悲劇を復活させようとした人々が生み出した音楽劇が、現在まで続くオペラの始まりといわれています。
オペラは瞬く間にイタリアの貴族たちの間に広まり、やがて市民階級にも広がって大きく発展していきました。そして誕生から1世紀もたたぬうちに、全ヨーロッパに広がり、世界中でオペラは大ブームを巻き起こしました。このように、現在上演される作品の多くは、イタリアで生まれたオペラを起源としています。イタリア・オペラではロッシーニやヴェルディ、プッチーニが作曲した作品などが世界中で数多く上演されています。
イタリア・オペラの大ブームの後、ヨーロッパ各地でその国独自のオペラが作られるようになりました。特に歌芝居の伝統があるドイツでは、イタリアとはまた一味違うオペラが生まれました。ドイツ・オペラでは、ワーグナーが作曲したオペラがとても有名です。
オペラの歴史

オペラの役柄
オペラは歌手の音域や声質によって役柄が分類されています。
女声は高い方からソプラノ、メッゾソプラノ、アルトに分かれ、ソプラノはお姫様や少女、メゾソプラノは美少年や魔性の女、アルトは魔女や母親などの役柄を演じることが多く、男声はテノール、バリトン、バスに分かれ、テノールは王子や若い男性、バリトンは悪役や中年男性、バスは王様や僧侶などの役柄を主に演じます。

オペラの歌
オペラには「アリア」と呼ばれる独唱曲があります。「アリア」とは、「オペラの中で登場人物が独りで歌唱する独立した曲」のことをいい、気持ちの昂ぶりや感情をこめた台詞を、ドラマチックで素晴らしいメロディーで歌い上げます。そのシーンに合わせて、メロディーは、明るかったり悲しかったりします。オペラで最も盛り上がるところです。
『愛の妙薬』でもネモリーノが歌うアリア<人知れぬ涙>は、作品中の大きな聴きどころとなっています。