高校生のためのオペラ鑑賞教室 ラ・ボエーム La Boheme Giacomo Puccini

HIGHTLIGHTS 観どころ・聴きどころ

聴きどころ 1 ミミとロドルフォの出会い

運命的な出会いをしたふたり。月明かりのもと、ミミの美しさに魅了されたロドルフォがそっと彼女の手を取り、アリア「冷たい手を」で自分は詩人と名乗り、恋心を打ち明けます。これにミミが応えるのが「私の名はミミ」。それぞれが静かな情感たっぷりのテノール、ソプラノの名曲中の名曲です。続いて情熱的な愛の二重唱「おお、優しい乙女よ」となるこのシーンは、オペラ史上でも最もロマンティックな名場面です。

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  2 カルティエ・ラタンの賑わい

クリスマス・イブの街の大賑わいを音楽も描写します。群衆や子供たちの合唱など、街を彩る数々のエピソードが次々に盛り込まれ、客席の観客も街の喧噪のなかにいるような気分になることでしょう。豪華な美術や生き生きとした合唱といった、オペラならではの醍醐味のひとつを堪能できるシーンです。
そこへ派手好きなムゼッタが現れ、昔の恋人マルチェッロの気を引こうと、お色気たっぷりにアリア「私が街を歩くと」をワルツ調で歌って挑発します。ソプラノの魅力いっぱいのこのアリアは、単独で演奏されることも多いチャーミングな曲。この魅力にはたまらず、つっぱっていたマルチェッロもついにムゼッタに降参。また一組のカップルが生まれます。

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  3 恋人たちの四重唱

ミミはロドルフォが、病のミミを貧しい自分は救うことができない、と悲痛に語るのを立ち聞きしてしまい、これ以上迷惑をかけるまいと別れを決意します。ミミの深い悲しみと愛に満ちた別れのアリア「あなたの愛の呼び声に」に続いて、ふたりの悲しく美しい二重唱「さようなら、甘美な愛の目覚め」となります。お互いを思いやりいたわりあうふたりの美しい歌に、ムゼッタとマルチェッロが激しく言い争う派手な喧嘩が重なります。オーケストラも、弦楽器がロドルフォ組を支える一方、マルチェッロ組を管楽器が彩って、見事なアンサンブルとなります。

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  4 ミミの死

瀕死のミミが屋根裏部屋に運び込まれ、友人たちは恋人たちを救おうと街へ出かけます。哲学者コッリーネが、愛用する自分の古外套を売って助けにしようと去り際に歌うのが、有名な感動的な別れのアリア「古い外套よ、さらば」。ふたりきりになったミミとロドルフォは楽しかった昔を回想し、ミミは友人たちの助けもむなしく、悲しい最期を迎えます。

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