プロフィール

【指揮】リチャード・アームストロング
Conductor : Richard Armstrong

イギリス・レスター生まれ。ケンブリッジのコーパス・クリスティ・カレッジのオルガン奨学生。1966年より英国ロイヤルオペラの音楽スタッフとしてショルティ、ジュリーニ、クレンペラーと仕事をする。73年から86年までウェールズ・ナショナル・オペラの音楽監督を務め、90年日本ツアーでの『サロメ』『ファルスタッフ』など国内外で数多くの作品を指揮。82年に『ビリー・バッド』で英国ロイヤルオペラにデビュー。スコティッシュ・オペラでは93年から音楽監督を務め、2004年まで毎年エディンバラ音楽祭に出演、『ニーベルングの指環』などいずれも好評を博した。他にもフランクフルト・オペラ、シャンゼリゼ劇場、バイエルン州立歌劇場、ジュネーヴ歌劇場、オーストラリア・オペラなど世界各地に出演。コンサート指揮者としても活躍しており、ロンドン・ フィルハーモニー管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ベルリン交響楽団、メルボルン交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団などを振っている。今後のオペラの予定としては、オーストラリア・オペラで『ムツェンスク郡のマクベス夫人』『アイーダ』、オペラ・ノースで『フィデリオ』、イングリッシュ・ナショナル・オペラで『マクロプロス事件』などがある。1993年に大英帝国勲章(CBE)を授与されている。新国立劇場初登場。

【演出】ウィリー・デッカー
Production : Willy Decker

ケルン生まれ。ケルンのアルベルトゥス・マグヌス大学でヴァイオリン、音楽学、文献学ならびに哲学を学び、さらにバリトン歌手、J.メッテルニヒに声楽レッスンを受ける。22歳でエッセン劇場の演出助手、その後ケルン歌劇場でノイゲバウアー、クプファー、ポネル、ハンペといった著名演出家の助手を務めた後、1986年ケルン歌劇場の首席演出家に任命される。また、78年よりオペラ演出家としての活動も始め、ワーグナーからイタリア・オペラ、現代オペラまで幅広い作品をドイツ各地の主要歌劇場や、ウィーン国立歌劇場、パリ・オペラ座、英国ロイヤルオペラ、ベルギー王立歌劇場(モネ劇場)、ジュネーヴ歌劇場、ネザーランド・オペラ、ザルツブルク音楽祭、フィレンツェ五月音楽祭などで活躍している。ヘンツェの『ポリチーノ』、ビバロの『マクベス』、ライマンの『城』など現代作品の世界初演でも高く評価されている。2005年ザルツブルク音楽祭の『椿姫』はカルト的人気を博し、2011/2012シーズンにメトロポリタン歌劇場でも上演。09年から11年までルール・トリエンナーレの総裁を務めた。新国立劇場では08年『軍人たち』が上演され、日本オペラ史上に残る公演となった。

【ピーター・グライムズ】(漁夫):スチュアート・スケルトン
Peter Grimes, a fisherman : Stuart Skelton

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州生まれ。次世代を担うヘルデンテノールの代表格としてメトロポリタン歌劇場、ウィーン国立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、ベルリン州立歌劇場、ハンブルク州立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、パリ・オペラ座、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、チューリッヒ歌劇場など世界各地の一流歌劇場で活躍。『ローエングリン』と『パルジファル』タイトルロール、『ワルキューレ』ジークムント、『フィデリオ』フロレスタン、『影のない女』皇帝、『ヴォツェック』鼓手長、『魔弾の射手』マックス、『ルサルカ』王子、『道化師』カニオ、『カーチャ・カバノヴァー』ボリスなど幅広いレパートリーを持つ。『ピーター・グライムズ』タイトルロールは特に定評があり、2004年にフランクフルト・オペラでのロールデビュー以来、世界各地で出演。日本には02年NHK交響楽団の第九公演(大野和士指揮)にソリストとして出演。新国立劇場初登場。

【エレン・オーフォード】(寡婦、村の女教師):スーザン・グリットン
Ellen Orford, a widow, schoolmistress of the Borough : Susan Gritton

イギリス・サリー州生まれ。オックスフォードとロンドンで植物学を学んだ後、声楽を学ぶ。イギリス歌曲での清楚で透き通った歌唱や、“ブリテン歌い”として高く評価されているリリック・ソプラノ。これまでにミラノ・スカラ座、バイエルン州立歌劇場、英国ロイヤルオペラ、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、ネザーランド・オペラ、グラインドボーン音楽祭、オールドバラ音楽祭などに出演。『ピーター・グライムズ』エレン・オーフォード、『カルメル会修道女の対話』ブランシュ、『トゥーランドット』リュー、『カルメン』ミカエラ、『コジ・ファン・トゥッテ』フィオルディリージ、『ドン・ジョヴァンニ』ドンナ・アンナ、『イドメネオ』エレットラ、『後宮からの誘拐』コンスタンツェ、『利口な女狐の物語』タイトルロールなどをレパートリーとする。日本には2009年英国ロイヤルオペラ特別演奏会の『メサイア』で来日している。新国立劇場初登場。

【バルストロード船長】( 退役船長):ジョナサン・サマーズ
Captain Balstrode, retired merchant skipper :Jonathan Summers

オーストラリア・メルボルン出身。2011年7月に英国ロイヤルオペラにて、今回新国立劇場で上演するデッカ―演出『ピーター・グライムズ』と同じプロダクションのバルストロード船長を演じ、その深みのある熟練の演技で観客を魅了した。また、本年7月のイングリッシュ・ナショナル・オペラで『ビリー・バッド』レッドバーン副長を務めるなど、ブリテン作品の出演が続いており、今回の新国立劇場での公演においても大きな期待が寄せられている。モーツァルト、ヴェルディ、プッチーニの解釈や役作りでも際立ち、世界的な称賛を得ている。
1974 年渡英、翌75年にはケント・オペラ『リゴレット』(ジョナサン・ミラー演出)タイトルロールで本格的にオペラ・デビューし、好評を博す。この功績が英国ロイヤル・オペラとの契約につながり、76年〜86年の間に『魔笛』パパゲーノ、『オテロ』イアーゴ、『ナブッコ』タイトルロールなど出演を重ねる。また、ゲスト歌手として『ローエングリン』王の伝令でパリ・オペラ座、『ドン・カルロ』ロドリーゴでハンブルク州立歌劇場、『ラ・ボエーム』マルチェッロでメトロポリタン歌劇場、『フィガロの結婚』タイトルロールでバイエルン州立歌劇場など、世界の一流歌劇場で次々とデビューを飾り、その後もスカラ座、フェニーチェ歌劇場、ケルン歌劇場、モネ劇場、シカゴ・リリック・オペラ、オペラ・ノース、メルボルン・オペラ、ニュー・イスラエル・オペラなどに出演。イングリッシュ・ナショナル・オペラには定期的に出演し、これまでに『道化師』トニオ、『仮面舞踏会』レナート、『トリスタンとイゾルデ』クルヴェナール、『パルジファル』アンフォルタスのほか、『リゴレット』『シモン・ボッカネグラ』『マクベス』『エウゲニー・オネーギン』などのタイトルロールを演じている。最近では、英国ロイヤルオペラで『ピーター・グライムズ』バルストロード船長や世界的な注目を集めた『テンペスト』(T.アデス作曲・指揮)セバスチャンのほか、オペラ・ノースにて人気英国人作曲家ダヴによる『ピノッキオの冒険』ジェッペットや『スペードの女王』トムスキー、オペラ・オーストラリア『椿姫』ジェルモンなどに出演。今後の予定としてウェールズ・ナショナル・オペラ『利口な女狐の物語』森番、オペラ・オーストラリア『運命の力』ドン・カルロなどがある。日本には88年スカラ座来日公演『ラ・ボエーム』マルチェッロで来日している。クライバー、ショルティ、ハイティンク、ムーティ、サヴァリッシュ、アバドなど偉大な指揮者との共演も多い。録音も数多くリリースされており、バルストロード船長を歌った『ピーター・グライムズ』(デイヴィス指揮)はグラミー賞最優秀オペラ録音賞を受賞している。新国立劇場初登場。


【アーンティ】( ボーア亭の女将):キャサリン・ウィン=ロジャース
Auntie, landlady of “The Boar” : Catherine Wyn-Rogers

イギリス出身。ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックで学んだ後、E.キーラー、D.フォルラーノの下で研鑽を積む。これまでにウェールズ・ナショナル・オペラ、スコティッシュ・オペラ、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、バイエルン州立歌劇場、ザクセン州立歌劇場、ザルツブルク音楽祭などで、品格と豊かな声量を持ち合わせたメッゾソプラノ/アルトとして数多く出演している。レパートリーには、『蝶々夫人』スズキ、『ラインの黄金』と『ジークフリート』エルダ、『神々の黄昏』第一のノルン、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』マグダレーネ、『ペレアスとメリザンド』ジュヌヴィエーヴ、『ピーター・グライムズ』アーンティ、『ジョコンダ』チエカなどを持つ。今後の予定としては、ミュンヘンで『ラインの黄金』、イングリッシュ・ナショナル・オペラで『エフゲニ・オネーギン』のほか、『ピーター・グライムズ』でミラノ・スカラ座にデビュー予定。新国立劇場初登場。

【ボブ・ボウルズ】(漁夫、メソジスト教徒):糸賀修平
Bob Boles, fisherman and Methodist : Itoga Shuhei

島根県出身。武蔵野音楽大学卒業、同大学大学院修了。新国立劇場オペラ研修所第10期修了。平成22年度文化庁派遣芸術家在外研修員としてイタリアへ留学。マントヴァ歌劇場にてマントヴァ・リゴレットフェスティヴァルに出演。第17回フランチェスコ・マリア・マルティーニ国際コンクールファイナリスト。オペラでは『フィガロの結婚』ドン・バジリオ及びドン・クルツィオ『愛の妙薬』ネモリーノ『カルメル会修道女との対話』騎士及び司祭『ファルスタッフ』フェントンなどで出演。新国立劇場では2012年1月の『ラ・ボエーム』パルピニョールで出演。平成24年度ローム・ミュージック・ファンデーション音楽在外研修生としてドイツ、ベルリンに留学予定。

【セドリー夫人】(東インド会社代理人の未亡人):加納悦子
Mrs. Sedley, a rentier widow of an East India Company’s factor : Kanoh Etsuko

東京藝術大学大学院を修了後、ドイツ国立ケルン音楽大学で声楽を学ぶ。同大学在籍中にケルン歌劇場のオペラスタジオ研修生をへて同歌劇場の専属歌手として契約。1995年ザルツブルグ国際モーツァルトコンクール声楽部門2位入賞。ケルン歌劇場では『フィガロの結婚』ケルビーノ、『蝶々夫人』スズキ、『ヘンゼルとグレーテル』ヘンゼルなど40以上の演目に出演。他にもドイツ・シュトゥットガルト歌劇場やベルギー・フランダース・オペラ、スイス・ザンクトガレン歌劇場を始め多くの劇場に出演。またウルマン『アトランティスの皇帝』など現代オペラにも出演。日生劇場開場40 周年記念/二期会共催公演『ルル』では主要3 役をこなし、柔軟性ある演技が絶賛された。びわ湖ホール・神奈川県民ホール共催『ばらの騎士』オクタヴィアン、びわ湖ホールオペラ『トリスタンとイゾルデ』ブランゲーネ、東京二期会『カプリッチョ』女優クレロなど常に高い評価を得ている。新国立劇場公演では『エレクトラ』第三の下女、『ザザ』アナーイデ、『ホフマン物語』ニクラウス/ミューズ、『魔笛』侍女II、最近では『ばらの騎士』アンニーナ、『ルサルカ』料理人の少年で出演し、いずれも堅実な歌唱と豊かな表現力が高く評価されている。二期会会員。

【ネッド・キーン】(薬剤師でやぶ医者):吉川健一
Ned Keene, apothecary and quack : Yoshikawa Kenichi

国立音楽大学卒業、同大学院修了。二期会オペラ研修所プロフェッショナルコース修了。日本クラシック音楽コンクール第2位(最高位)、トルトーナ国際音楽コンクール第3 位、ラッコニージ国際音楽コンクール第3位受賞。大学院オペラ『フィガロの結婚』タイトルロールでオペラデビュー後、イタリアに留学。ヴィヴァルディ国立音楽院に学ぶ。世界的名バリトン、P.コーニのもとで研鑽を積みながら、『ラ・ボエーム』や『リゴレット』等イタリア各地の歌劇場に出演。帰国後、東京二期会『魔笛』(実相時昭雄演出)パパゲーノ役に抜擢され、その後『ジャンニ・スキッキ』マルコ、『天国と地獄』マルス、『サロメ』兵士1、日生劇場公演『夕鶴』運ず、『利口な女狐の物語』ハラシュタ、東京オペラグループ公演『フィガロの結婚』フィガロ、『コジ・ファン・トゥッテ』グリエルモ、日本オペラ連盟『ポッペアの戴冠』、札幌交響楽団『ピーター・グライムズ』(演奏会形式)に出演し公演の成功に貢献している。新国立劇場には、2007 年バレエ公演『オルフェオとエウリディーチェ』オルフェオ(歌手)、11年『コジ・ファン・トゥッテ』(演奏会形式)に出演。12年2月には『沈黙』に通辞で出演。二期会会員。

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