プロフィール

勅使川原三郎 Teshigawara Saburo
クラシックバレエを学んだ後、1981年より独自の創作活動を開始。85年、宮田佳と共にKARASを結成し、既存のダンスの枠組みではとらえられない新しい表現を追及。舞台美術、照明デザイン、衣装、音楽構成も自ら手掛ける。
光・音・空気・身体によって空間を質的に変化させ創造される、かつてない独創的な舞台作品は、ダンス界にとどまらず、あらゆるアートシーンに衝撃を与えるとともに高く評価され、国内のみならず欧米他、諸外国の主要なフェスティバルおよび劇場の招きにより多数の公演を行う。自身のソロ作品、KARASとのグループ作品創作の他にも、パリ・オペラ座バレエ団などヨーロッパの一流バレエ団からの依頼で作品を創作。日本人振付家として初めての快挙であり、世界的先駆者として位置付けられている。新国立劇場で発表した2003年『Raj PacketU』(Greenと改題)、05年『KAZAHANA』、06年『ガラスノ牙』、07年『ミロク』などの作品は、世界各国の劇場で再演を重ね、好評を博している。
またダンス教育に関しても独自の理念をもち、KARAS創設以前より常に継続してワークショップを行ない、現在に至るまで国内外で若手ダンサーの育成に力を注ぐ。2004年にはローレックスメントー&プロトジェアート・イニシエイエティヴのメントー(指導者)を委託され、1年間(2004〜2005)に渡り若手芸術家育成支援事業に関わった。06年度からは立教大学現代心理学部映像身体学科の専任教授に就任し、ダンスに限らず身体を根源的、挑戦的に研究するために、教育現場における新世代との創造活動にも熱い意欲を注いでいる。新国立劇場2007/2008シーズンには、オーディションで選んだ10代のダンサーたちと長期ワークショップを行い、作品を創造する新プロジェクト『空気のダンス』公演を成功させ、新国立劇場と共同制作を行なった富山・松本の各劇場でも観客に深い感動を与えた。
造形美術家としても、日本やヨーロッパでインスタレーション作品が紹介され、93年以降は映像作品も製作。最新映像作品『A Tale Of』(05)は06年ロンドンのICA(Institute of Contemporary Arts)において上映され、好評を得た。その他にも執筆活動を行うなど、芸術表現の様々な局面で常に新たな可能性を切り開いていくアーティストとして、国際的な注目を集めている。

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