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初台アート・ロフト 舞台衣裳展『うつろいーUtsuroiー』展を開催しています

 

2025年秋-冬 初台アート・ロフト

『うつろい―Utsuroi-』展

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「初台アート・ロフト」は、新国立劇場のオープンスペースやギャラリーが会場となっています。高い天井から差し込む日光、夜の照明と展示物の影が織りなす神秘的な空間は、建築上の大きな魅力です。2019年にスタートした「初台アート・ロフト」は、「ファンタジー展」「パラード展」「生命の木展」「神話への旅展」「想像力と技-素材と型-展」「時空をこえて展」「奇想空間展」「針と糸で繋ぐ未来への扉展」「クリエイターたちの集い」「作り手たちの美学ーBonsaiー」など様々な切り口から舞台衣裳展を開催してきました。


今回の『うつろいーUtsuroiー』展では、時の流れとともに多様な姿へと変化していく作品たちが織りなす、悲哀と歓喜の物語を描きます。メインモチーフの紅葉とイチョウのそれぞれの花言葉は「美しい変化」、そして「長寿」です。うつろい。それは、時の流れ。どうぞ、ゆらりゆらりと、うつろいながらひと時をお楽しみください。

展示紹介


今回の展示では、オペラ『魔笛』(1998年初演)、『蝶々夫人』(1998年初演)、『長門美保歌劇団寄贈・蝶々夫人衣裳』、『パルジファル』(2014年初演)、 『ナブッコ』(1998年初演)、『イル・トロヴァトーレ』(2011年初演)、『運命の力』(2006年初演)、『イドメネオ』(2006年初演)、『マクベス(2004年初演』、『ジークフリート』(2003年初演)、バレエ『シンデレラ』(1999年初演)から、美しい衣裳の数々を、彩ゆたかな空間にご紹介しています。メインモチーフの紅葉とイチョウは約6,000枚からなり、1枚1枚が刺繍をはじめとする手仕事によるものです。

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『魔笛』より、夜の女王。真っ赤に燃える紅葉は彼女の熱い心の中を表しているかのよう。1枚1枚、手作業で製作された紅葉は見どころのひとつ。
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「奏ーかなでー」『魔笛』のキャラクターたちがイチョウの大木を囲むように演奏会を繰り広げる空間。イチョウの葉、約3,000枚も手作業で製作された。
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『パルジファル』の神聖さを象徴するようにまばゆく照らし出された白い空間。アムフォルタスが纏った本革のコートは高い縫製技術が求められる。ティトゥレルのローブとマントは、張りの強い素材のキルティング生地による立体的な形が美しい。
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『シンデレラ』より、シンデレラに希望の魔法をかける仙女が登場。カボチャとそこから伸びる蔦が巻きついた掃除道具たち。それは時の経過を表し、辛い環境で虐げられていたシンデレラが幸せへと変わっていく〈うつろい〉を象徴している。
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『ナブッコ』よりナブッコとフェネーナ。古代バビロニアを思わせるテラコッタ調の壺が並びます。壮大な物語を象徴する二本の旗が掲げられ、バビロニア王朝の偉大さと傲慢さを表現。手染めでプリーツ加工が美しく施されているローブとドレス。
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『イル・トロヴァトーレ』より。愛する人を救うために毒を選んだレオノーラ。兄弟の真実を知らぬまま処刑されたマンリーコ。その姿を見下ろすように立つアズチェーナ、復讐と狂気を映し出す。
3-5.JPG『運命の力』は修道院をイメージした空間。修道士となったドン・アルヴァーロのもとへ、ドン・カルロの足音が近づく。やがて決闘の末に再開するレオノーラ。逃れることのできない運命の哀しみが空間に漂う。
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『イドメネオ』より、正面を向くイダマンテと背を向ける父イドメネオ。二人の間には、誓いの執行を示すかのように、武具を纏った黒塗りの石膏像が立つ。二人の愛と葛藤、その断ち切れぬ関係性がこの空間に描き出されている。
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『マクベス』よりマクベスとマクベス夫人、マクダフの衣裳。マクベス夫人のドレスの生地は数種類の生地を割いて織られている。マットなドレス生地と対照的に光沢感のあるオーガンジーにワッシャープリーツがかけられ華やかさが演出される

2-1.JPG『蝶々夫人』よりピンカートンの衣裳と、長門美保歌劇団寄贈による蝶々さんの着物二着。この空間には、喜びと哀しみ、ふたつの感情が交錯する。二人の間には大きな桜のオブジェ。かつて二人が過ごした幸せな時を映し出す。


2025年秋-冬 初台アート・ロフト『うつろい-Utsuroi-』展

■会期:只今開催中~2026年3月1日(日)まで
■会場:1階メインエントランスホールおよび、2・3階ギャラリー
■開場時間:8:00~20:00

■ご観覧料:無料

■同時開催:舞台写真展『彩 いろどり』(共催:新国立劇場+日本舞台写真家協会)

 キュレーション:桜井久美(アトリエヒノデ) 

 インスタレーション :渡邊健斗/青木美穂(IM space lab)
 装飾物制作補助:長久保彩女 

 写真撮影:田中亜紀 

 マネキン製作:株式会社七彩
 植栽:株式会社野沢園 

 小道具:新国立劇場 技術総括室 

 制作:新国立劇場 情報センター


同時開催:舞台写真展『彩 いろどりー舞台の記憶を紡ぐー 』


新国立劇場で、舞台芸術の記憶を紡ぐ特別な写真展を開催!

高い天井と自然光が降りそそぐ開放的なオープンスペースで、舞台芸術の魅力を存分に味わえる舞台写真展『彩 いろどり―舞台の記憶を紡ぐ―』を開催します。

新国立劇場「初台アート・ロフト」と日本舞台写真家協会との共同企画により、全国で活躍する舞台写真家が、バレエ、クラシック音楽、ダンス、伝統芸能、演劇、オペラなど多彩なジャンルの作品を一堂に展示。舞台の感動を写真で再び体験できる貴重な機会です。


現在開催中の舞台衣裳展『うつろい―Utsuroi―』と合わせて、衣裳と写真が織りなす贅沢なアート空間をお楽しみいただけます。劇場内をゆらりゆらりと散策しながら、心に響くアートの旅へ出かけませんか
 

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新国立劇場 情報センター

〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1 ☎03-5352-5716

 

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初台アート・ロフトは、時空を超えた人生の旅を構想する

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