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2023年 初台アート・ロフト
『奇想空間 ―進化し続ける遊び心―展』
-A Fantastical World of Creatures and Plants-

―光と音、遊びの世界、秋冬太陽の祭り―




時空を超えた人生の旅を構想する屋根裏部屋「初台アート・ロフト」。アート作品である舞台衣裳に光を当て、新たな物語を創造します。アート作品である舞台衣裳に光を当て、新たな物語を創造します。2019年にスタートした「初台アート・ロフト」は、様々な切り口から舞台衣裳の展示を実施してきました。今回は、『奇想空間展』と題し、衣裳を通じて、総合芸術である舞台に関わる人々がこれまでに創り上げてきた非日常な世界に迫ります。

19世紀半ばに万国博覧会がもたらした影響で、異国ブームが沸き起こりました。世界文化交流は各国にとって文化、産業開発に画期的な出来事であり、西は東に魅了され、東は西に魅了され、未来につなぐ新しい文化、産業が創り上げられました。今回の展示では、オペラ『蝶々夫人』(1998年初演) 、『夕鶴』(2000年初演)、『紫苑物語』(2019年初演)、バレエ『梵鐘の聲』(1998年初演) 、『くるみ割り人形』(1998年初演)、 『ラ・バヤデール』(2000年初演)、 『アラジン』(2008年初演)、 『パゴダの王子』(2011年初演)の衣裳を通じて、東洋や日本の奇異な想像が反映された世界観と、インスタレーションによる秋・冬まつりのような賑やかな奇想空間を存分にお楽しみいただけます。また、主催公演の衣裳に加え、今回は長門美保歌劇団よりオペラ『蝶々夫人』(1946年初演)の衣裳が展示されるのも大きな見どころの一つです。

初台アート・ロフト 12月~1月のイベント等【2023年12月6日更新】




展示紹介


「初台アート・ロフト」は、新国立劇場のオープンスペースやギャラリーが会場となっています。高い天井から差し込む日光、夜の照明と展示物の影が織りなす神秘的な空間は、建築上の大きな魅力です。この劇場という非日常の空間の中で、本展示の衣裳の彩り豊かなそれぞれの魅力と個性が表現されています。

今回は、新国立劇場主催公演の衣裳に加え、長門美保歌劇団よりオペラ『蝶々夫人』の衣裳を展示しています。戦後の日本のオペラを牽引した立役者のひとりであり、ドラマティック・ソプラノとして1900年代に活躍したソプラノ歌手長門美保(1911-94)が着用した蝶々夫人の衣裳にもご注目ください。

また、モザイクに見立てたインスタレーションが展示空間に散りばめられており、各ブースの作品をイメージした空間アートを創り出しています。衣裳やキャラクターのみならず、空間デザインにも表情をそえるアートの世界にもご注目ください。さらに、実際の衣裳やオブジェと併せて、今回も約200枚以上の展示作品の写真を展示パネルにてご紹介いたします。カメラのフィルターを通して表現された世界も併せてお楽しみください。

展示を彩るのは、生の植物たち。衣裳とともに作品の世界観を演出します。昼と夜の空間の印象の違い、異国情緒あふれる衣裳や職人の遊び心が散りばめられた刺繍、特殊な工法で創られたネズミの王様の被り物など、心躍る衣裳と美術作品を間近でご堪能ください。

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3Fギャラリーの様子。
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『梵鐘の聲』より祇王のコルセット。手描きの蓮の花やアップリケなどの装飾が美しい。

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『蝶々夫人』タイトルロールの衣裳(長門美保歌劇団からの寄贈品)。美しい染め物であり、蝶々さんの猛信的な恋が着せ付けで表現されている。
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どこか愛着が感じられる素朴な『くるみ割り人形』のネズミの王様の被り物。当時の流行りのヘッドサイズと暗い照明の中で不気味なイメージを作りやすい素材で作られている。

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『くるみ割り人形』よりバラの精。このコーナーはクリスマスイヴに向けて、楽しい空間に変身していく。
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エキゾチシズムの満載の『ラ・バヤデール』よりニキヤの衣裳。舞台で遠くから見て透明感ある衣裳に見せるテクニックのある衣裳。
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『夕鶴』よりつうの衣裳。品の良い染等、シンプルな中に動きの柔らかさと、つうの切ない寂しさを感じる。
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『アラジン』よりアラジンの衣裳。ラメ地に金ブレード、金オーナメントをふんだんにあしらった、異国情緒漂う風合いが目を引く。魔法をアラブの太陽神でイメージした空間。

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『パゴダの王子』より王子とさくら姫の衣裳。着物を意識しつつ、踊りに支障がないように機能美を追求している。衿をかたどった細いシルクの染赤が美しい。
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『紫苑物語』の宗頼とうつろ姫の衣裳。日本を含む世界各地の素材を駆使して作られている。奇異な世界観が存分に表現されている。

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空間やマネキンのヘッドを彩るのは、モザイクに見立てたカラフルなモチーフによるインスタレーション。この大小様々なかたちのモチーフは、ペイント加工した特殊な紙にエサフォーム(ポリエチレン樹脂を基材とした柔軟性に富んだ緩衝材)を用いて、タイル風にモチーフにされている。
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2階通路奥のギャラリー。ネズミの王様を囲む木々のインスタレーション。秋・冬まつりの心躍るような賑やかさが表現されている。

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3階ギャラリーより。
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田中亜紀氏による展示作品の写真。衣裳と併せてカメラのフィルターを通して表現された世界もお楽しみいただきたい。

初台アート・ロフトにも雪が降ってきた!

12月を迎え、初台アート・ロフトも冬の装いに!

バレエ『くるみ割り人形』の上演期間に、心躍るクリスマスの飾りが『奇想空間 ―進化し続ける遊び心―』展を彩ります。

また、1階の階段脇と2階のブリッジ奥のスペースには、それぞれフォトスポットを設置しております。
ホリデーシーズンの心躍る雰囲気を、ぜひ劇場全体で感じてみてください。

フォトスポット①「ネズミの王様の森のクリスマスツリー」

場所:2階ブリッジ奥

ネズミの王様(1998年初演『くるみ割り人形』のみ)が展示されているエリアが、遊び心いっぱいな華やかなクリスマス飾りで彩られます。ツリーの前やネズミの王様の前にお立ちいただいて、来館の記念に写真をお撮りいただけます。

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ネズミの王様とクリスマスツリー
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ハート形のかわいらしい飾りの中に入って写真をお取りいただけます。
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アート・ロフトのロゴが刺繍が施されたリース飾りも探してみてください!

フォトスポット②「バラの精とクリスマスツリー」

場所:メインエントランス中央階段

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バラの精のフォトスポット

バラの精(1998年初演『くるみ割り人形』より)の衣裳の周りがホリデーシーズンにぴったりの装いに変身!衣裳の脇にはかわいらしく飾りつけされたツリーが設置されています。ぜひこの機会にお立ち寄りください。

初台アート・ロフトの冬支度

場所:1階~3階のオープンスペース

『奇想空間』展の衣裳の足元には真っ白な雪がふんわりと積もり、展示と同様のカラフルなモチーフでクリスマスツリーが飾り付けられています。

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オペラ『紫苑物語』より宗頼とうつろ姫の衣裳
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バレエ『ラ・バヤデール』よりソロルとニキヤの衣裳
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オペラ『夕鶴』よりつうの衣裳。白い雪が映えます。

冬のオープンシアター

ビデオシアターにて、オペラとバレエ公演記録映像の連続上映を行います。開場初期の上演にこだわった選りすぐりの演目をお楽しみいただけるほか、『椿姫』は、バレエ作品とオペラ作品の両方を観ていただける、またとない機会です。ぜひ、お立ち寄りください。上演予定演目は情報センターのお知らせにて発表いたします。

開催日時

12月22日(金)、23日(土)、24日(日)、1月6日(土)、7日(日)、8日(月・祝)

10:00~18:00

※情報センター入室の最終受付は17:30です。

会場

5階 情報センター ビデオシアター

入場

無料(出入り自由です)


※情報センターのご利用にあたっては、資料閲覧証が必要です。

(受付カウンターで発行できます。住所・氏名・生年月日を確認できる身分証明書をお持ちください)



2023年 初台アート・ロフト『奇想空間 ―進化し続ける遊び心―』展

■会期:2023年10月1日~2024年2月下旬まで
■会場:1階メインエントランスホールおよび、2・3階ギャラリー
■開場時間:8:00~20:00

■ご観覧料:無料

 キュレーション:桜井久美

 インスタレーション :アトリエヒノデ/渡邊健斗/青木美穂
 写真撮影:田中亜紀

 マネキン製作:株式会社七彩

 小道具:新国立劇場 技術総括室

 制作:新国立劇場 情報センター

 

お問合せ


新国立劇場 情報センター

〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1 ☎03-5352-5716

 

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初台アート・ロフトは、時空を超えた人生の旅を構想する

屋根裏部屋です。

 

 ― アートはいつもあなたの中にある ―

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