舞踊芸術監督
大原永子

2019/2020シーズンは私の芸術監督任期最後のシーズンとなります。1999年にバレエミストレスに就任して以来、監督補、芸術監督として20年余りに渡りバレエ団とともに歩んで参りました。その間、バレエ団は非常に幅広い作品群をレパートリーとし、今や世界的なレベルでの上演が実現できるようになったと思っております。
今シーズンはこれまでのバレエ団の総決算的なラインアップとなりました。
演劇的バレエの伝統を確立したマクミランの『ロメオとジュリエット』をシーズン開幕公演として10月に、翌年2・3月には『マノン』を上演します。両作品ともにバレエ団の豊かで深みのある表現力をご堪能いただけると思います。12月のクリスマス・シーズンにはイーグリングの『くるみ割り人形』を上演します。夢に溢れたおとぎ話であると同時に非常に高度なテクニックが要求される見ごたえ十分な作品で、幅広い年齢層のお客様にお楽しみいただけます。新春の「ニューイヤー・バレエ」では、“見る音楽“と表されるバランシンの『セレナーデ』、『ライモンダ』『海賊』からのパ・ド・ドゥ、さらにバレエ新時代を担うウィールドンの1幕バレエ『DGV』を新制作します。今最も才能・人気のある振付家の一人、ウィールドンの作品を『不思議の国のアリス』に続きレパートリーに加えられることを嬉しく思います。5月には1999年に初演して以来の人気演目『ドン・キホーテ』を上演し、6月には、大好評をいただき、ダンサーたちの表現力・技術を大きく飛躍させたウィールドンの『不思議の国のアリス』を再演してシーズンを締めくくります。
ダンス公演の開幕は17年に初演され高い評価を得た中村恩恵と新国立劇場バレエ団とのコラボレーション作品『ベートーヴェン・ソナタ』を11月に上演します。3月には新国立劇場バレエ団ダンサー振付によるコンテンポラリー・ダンス作品集『DANCE to the Future 2020』、6月は親子でお楽しみいただける小野寺修二カンパニーデラシネラの『ふしぎの国のアリス』を再演します。
多くのお客様にバレエ・ダンスの魅力を存分にお楽しみいただける公演をお届けしたいと願っております。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

プロフィール

橘秋子、牧阿佐美、アレクサンドラ・ダニロワ、イゴール・シュベッツォフに師事。橘バレヱ学校を卒業後、橘バレヱ団を経て 1956年、牧阿佐美バレヱ団結成と同時に入団。62年に『白鳥の湖』の主役に抜擢され、以後同団のプリマ・バレリーナとして古典、創作を問わず数多くの作品に主演する。71年にアメリカに留学し、74年に渡英。ニュー・ロンドン・バレエからロンドン・フェスティバル・バレエ、さらにスコティッシュ・バレエへと移籍。77年、スイスのバーゼル・バレエに一時在籍した後、78年に再びスコティッシュ・バレエに戻り、96年までプリンシパル・ダンサーとして活躍。72年舞踊批評家協会賞、82年芸術選奨文部大臣賞、91年服部智恵子賞を受賞。96年よりスコティッシュ・バレエでコーチを務める。97年には大英勲章(OBE)を日本人アーティストとして初めて授与された。2004年紫綬褒章受章。12年橘秋子賞特別賞受賞。14年に旭日小綬章を受章。17年第65回舞踊芸術賞受賞。1999年より新国立劇場バレエ団のバレエミストレスを務め、2010年に同バレエ団の監督補。14年9月新国立劇場舞踊芸術監督に就任。