プロフィール

【振 付】マリウス・プティパ Choreography : Marius Petipa
1818年フランス・マルセイユ生まれ。舞踊家、舞踊教師、振付家。13歳のときに父の作品で舞台デビューを果たし47年にサンクトペテルブルクの帝室ボリショイ劇場に招かれた。
55年からは父の後任として、劇場附属バレエ学校で、踊りと得意としていたマイムの教師を兼任している。62年に振り付けた『ファラオの娘』が大成功し、副バレエマスターに就任。69年にはサン=レオンが退任したため、首席バレエマスターとなる。以後『ドン・キホーテ』(1869年)、『ラ・バヤデール』(77年)、『眠れる森の美女』(90年)、『白鳥の湖』(95年、イワーノフと共作)、『ライモンダ』(98年)など、数々の傑作を残しロシア・バレエの伝統を確立した。1903年初演の『魔法の鏡』まで、改訂振付を加えれば70以上の作品をロシアで振り付けている。10年、クリミア地方グルズフで亡くなった。

【振 付】レフ・イワーノフ Choreography : Lev Ivanov
1834年モスクワ生まれの舞踊家、舞踊教師、振付家。モスクワとサンクトぺテルブルクで学び、在学中16歳頃から、サンクトペテルブルク帝室劇場バレエのコール・ド・バレエに加わる。キャラクター・ダンサーとして高い評価を受け、後にプリンシパルに昇格した。85年第二バレエマスター任命され首席バレエマスターのマリウス・プティパと共に働く。1901年サンクトペテルブルグで亡くなった。

【演出・改訂振付】牧 阿佐美 Revised by Maki Asami
日本バレエ界の草分けの一人、橘秋子の長女として生まれる。4歳で初舞台を踏み、20歳の時に米国に留学、A.ダニロワ、I.シュヴェッツオフに師事。その後、橘バレエ団を基礎に、橘秋子と共に牧阿佐美バレヱ団を設立し、プリマ・バレリーナとして数々の作品に主演。昭和35年には、日本で初めて外国人ダンサーを相手役に全幕バレエ『コッペリア』を踊り、絶賛を浴びる。橘秋子の没後はその遺志を継いで舞台を退き、牧阿佐美バレヱ団主宰者、橘バレエ学校校長となり、その卓抜した指導力で、日本を代表する舞踊手を数多く世に送りだす。また振付家としても活躍する一方、海外より多数の著名な指導者や振付家を招き、国際共同による質の高い舞台制作を手がけている。ニムラ賞、芸術選奨文部大臣賞、東京新聞舞踊芸術賞、舞踊批評家協会賞、橘秋子賞特別賞を受賞。平成8年(1996年)秋には、多年にわたり数多くの作品を振り付け、発表し続けた功績により紫綬褒章を受章。2004年2月フランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエを受ける。08年5月には日本人として初めてブノワ賞の審査にあたった。08年に平成20年度の文化功労者に選ばれた。振付家としての主な経歴は、1965年『火の鳥』、67年『眠れる森の美女』をイゴール・シュヴェッツオフと共同振付して主役を踊り、衣裳デザインも自ら手がけて上演した。68年には振付家として本格的にデビューし、黛敏郎作曲『ブガク』、芥川也寸志作曲『トゥリプティーク』、團伊玖磨作曲の『シルクロード』を振付して注目された。最近では95年に『ロメオとジュリエット』、98年に『椿姫』をアザーリ・プリセツキーと共同振付して絶賛を浴びた。新国立劇場バレエ団への全幕物の演出・改訂振付第1 作目として2000年11月に『ラ・バヤデール』を手掛け好評を博した。第2作目は04年10月に『ライモンダ』全幕改訂振付、この作品で朝日舞台芸術賞を受賞した。第3作目に06年11月に『白鳥の湖』を改訂振付・演出し、高い評価を得た。07年には新国立劇場完全オリジナルの『椿姫』の振付・演出にあたり、第7回朝日舞台芸術賞を受賞。1999年から2010年まで新国立劇場舞踊芸術監督を務め、ワシントン・ケネディーセンター公演(「ジャパン・フェスティバル」参加)とモスクワ・ボリショイ劇場公演『椿姫』の海外公演を大成功に導くなどバレエ団の育成と発展に大きく寄与した。現在、新国立劇場バレエ研修所所長。

【作 曲】ピョートル・チャイコフスキー Music : Pyotr Tchaikovsky
1840年、ロシアのウラル地方ヴォトキンスク生まれの作曲家。66年に新設のモスクワ音楽院の教師に就任。三大バレエ『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『眠れる森の美女』、オペラ『エウゲニ・オネーギン』『スペードの女王』、交響曲第6番『悲愴』のほか、数多くの作品を作曲。85年にモスクワ近郊に居を構えるまで頻繁に海外に滞在した。その後は自作の指揮で欧米を精力的に訪問。93年サンクトペテルブルグで交響曲第6番『悲愴』の初演指揮後急死した。

【指 揮】大井剛史 Conductor : Ooi Takeshi
東京都生まれ。17歳より指揮法を松尾葉子氏に師事。東京芸術大学音楽学部指揮科を卒業後、1999年同大学大学院音楽研究科指揮専攻修了。学内にて若杉弘、故岩城宏之の各氏に指導を受ける。96年安宅賞受賞。その後、ヴェルビエ音楽祭にてジェイムズ・レヴァイン、クルト・マズアの両氏に、シエナ・キジアーナ音楽院においてジャンルイジ・ジェルメッティ氏に、それぞれ指揮法を師事。2002年、新国立劇場中劇場におけるモーツァルト劇場公演『ペレアスとメリザンド』(ドビュッシー)を指揮して、オペラ指揮者として本格的にデビュー。以後現在までに、『アポロとヒュアキントス』(モーツァルト)から、初演を手掛けた『不思議の国のアリス』(木下牧子)に至る、幅広いレパートリーを指揮している。また新国立劇場をはじめとする数々のオペラ公演の副指揮者・合唱指揮者としても活動した。牧阿佐美バレヱ団との共演や、ジャニーズの「嵐」と共演したミュージカル『ウェスト・サイド・ストーリー』(バーンスタイン)の指揮など、オペラ以外の舞台音楽にも積極的に取り組んでいる。オーケストラ指揮者としては、仙台フィルハーモニー管弦楽団の副指揮者を務めたのち、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京ニューシティ管弦楽団、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉、群馬交響楽団、山形交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、九州交響楽団、東京佼成ウインドオーケストラなどのオーケストラを指揮している。新国立劇場バレエ公演では08年『カルメン』で編曲と指揮、09年『くるみ割り人形』、10年『グラン・パ・ド・フィアンセ』『こうもり』より「グラン・カフェ」で指揮を務めている。

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