公演のご感想

怒りをこめてふり返れ
(2017年7月)

    • 中村倫也さんの圧倒的な演技とセリフの多さに、息苦しさすら感じる作品でした。
      気がついたら呼吸を止めて見入っていました。
      こんなに集中させられた作品は初めてです。

    • 近過去の英国の階級対立という背景を理解しないとわかりにくい作品である。ただ、こうした出身階級による対立は「階級」という明確な壁がなくても存在するため、現代日本に生きる我々にとっても遠い世界のこととは言えない気がする。
      それにしても、膨大な長ゼリフをよくあれだけ朗々と喋れたものである。

      お疲れ様でした。

    • 新国立劇場の公演は長いものが多くて、苦手意識が高い。でも、今回横文字の役名も気にならず熱量に圧倒された。
      中村倫也さんのセリフ量を目にするだけでも観た甲斐があると思う。
      内容は難しいけど、「怒り」という目にする機会が減った今の世の中に良い機会になったと思います。

    • アリソン、ジミー、クリフ、ヘレナ、そしてアリソンの両親...それぞれの立場に立ってみてこの物語を見てみると、それぞれの苦しみや愛で胸がいっぱいになります。
      この作品に出会えて良かった。キャスト、スタッフ、みなさんに感謝しております。

    • すごくパワーにあふれていて、でもどこか繊細な、不思議で魅力的な舞台でした。
      言葉は無骨だけど、ふとした時に垣間見える優しさや気遣いがとても素敵で印象的で、ジミー、アリソン、クリフ、ヘレナ、アリソンの父、みんなそれぞれ人としての可愛らしさや愚かさ、傷があるということを知り、抱きしめてあげたいようなそんな気持ちになりました。
      難しいと思うところもありましたが、もっと知りたい、もう一度観たいと思いました。ありがとうございました。

    • 現代的というか、私が現代的と感じてしまうくらいには普遍的なものだなあと思う部分がたくさんありました。
      いろいろなことを考えて、今、この怠惰な私はどう生きていけば良いのか、余計わからなくなりました。
      10代でこの作品に出会えて良かったと思います。
      また、歳を重ねてからも出会いたいと思えました。
      セットがとても素敵でした。歪んでてかっこいいです。
      中村倫也さんの声が本当に力強くて、やるせなくて美しくて、ジミーとしても俳優としても素晴らしかったです。

    • この手のイギリス戯曲に苦手意識を持っていたので、前知識一切入れず、半ば恐る恐る臨んでみたら、時代や階級制度なんて問題ではなく、とてつもない熱量で愛を描いた話で、どんどんのめり込めた。
      ジミーの生産性のない怒りはただ愛を欲している駄々っ子に見え、不思議と怒りや憐れみを感じなかった。アリソンやヘレナのように母性に近いものが芽生えたのかも?
      男性と女性じゃジミーに対する感情が異なりそう。
      かといって、登場人物の誰にも感情移入せず、あの奥行きのある屋根裏部屋の一分になって見ているかのような錯覚もおぼえた。
      印象的な場面は、ジミーに靴を用意し決別と拒絶を示したアリソンの強さ、不定を目撃した後のアリソンとヘレナが対面してジミーの生まれるときが違ったと笑い合う女性のたくましさ。恐ろしさもあった。
      いつの時代もこういう男性がモテるんですね。

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