きらめく背骨

  • 新国立劇場2005/2006シーズン
    コンテンポラリーダンス ダンスプラネットNo.20
  • 小劇場
  • 公演日程

    公演日程

    開場は開演の30分前です。

ジャズダンスからコンテンポラリーダンスまで、
クロスオーバーするダンス表現が魅力の女性振付家、前田清実。
自身のダンス創作のみならずミュージカル、演劇など数々の舞台で振付を担当し、
あらゆる舞台に影響力を及ぼしている彼女が、
思いのたけを新国立劇場小劇場で解き放つ最新作。


私は今、こうして東京に生きている。
昭和三十三年生まれの東京タワーとほぼ同期の私は、
やっぱりこうして東京で生きている。
果てしない可能性を信じ、背負えない程の夢を持って、
大勢の友の見送りを後に、寝台特急「あさかぜ」に乗ったあの日から、
IN・OUTをリピートしつつ、恐ろしく時は、さっさと流れていった。
今さら都会を問うのも気恥ずかしいけれど、
ほんの少し手を伸ばせば届いてしまう程、
そこかしこに散らばっている自由とやらに困惑し、
そこかしこに転がっている夢とやらを持て余し、
所在を無くし迷子になり迷走する。
かって自分が何を大切にし、
かけがえのないものとしていたのか、を今一度自分に問う、
郷愁でも自分探しでもない、今を想像し、現実を創造する。
そそり立つ、あの東京タワーのような背骨を求めて。

前田清実プロフィール
山口県生まれ。地元で加藤耀子にモダンダンスを学ぶ。日本大学芸術学部演劇科卒業後、モダンダンスを河野潤、バレエを鈴木恵美子・柳瀬真澄、ジャズダンスを名倉加代子に師事。創作活動として「ステイヒア」「ダンスコレクション」を定期的に公演し、ダンサーとして活躍するかたわら、振付者としても数々のミュージカルやストレートプレイ、宝塚歌劇団の作品を手がける。2000年DRASTIC DANCE“0”を結成し、ダンス作品「地下鉄」「女」などを次々と発表する。第8回読売演劇大賞スタッフ賞優秀賞を受賞。主な振付作品:『天保十二年のシェークスピア』『モーツァルト!』『アンナ・カレー二ナ』