オルフェオとエウリディーチェ
by ドミニク・ウォルシュ

  • 2006/2007 Season Ballet
    [New Production]
    新国立劇場エメラルド・プロジェクトNO.2
    ORFEO ED EURIDICE 
    by Dominic Walsh
  • 中劇場

04/05シーズンから始まった「エメラルド・プロジェクト」は、日本を含む世界の振付家にストーリーのある新作バレエ創作を提案、新国立劇場オリジナルのレパートリー化を図るものです。若々しく活力あふれる舞台、緑の風を巻き起こすような清新で驚きのある振付、そして観客の皆様にとって美しい宝石となるようなバレエ誕生を願う思いを込めてつけられたエメラルド・プロジェクト、初回の石井潤『カルメン』に続く第2弾にはアメリカ人振付家ドミニク・ウォルシュが登場します。
新国立劇場の『マノン』に登場してデ・グリューとレスコーの両役を演じ分け絶賛を浴びたことが記憶に新しい実力派ダンサーですが、現在は自らのカンパニーを結成しオリジナル作品振付に才能を発揮。アメリカンバレエシアターに作品を委嘱されるなど注目されています。
ウォルシュが手がけるのはギリシャ神話に登場する竪琴の名手オルフェオとその妻エウリディーチェの悲恋。今回は、グルックの同名オペラをもとに、ソリスト歌手と合唱団による歌も入る贅沢な演出。さらに、古代ギリシャ・ローマ時代のモチーフを取り入れた1930年代のモードを参考にした象徴的な装置・衣裳。「目の前から姿を消してしまった人を、人間はどこまで信じ続けることができるのか」がテーマと語るウォルシュが、ギリシャ神話を大胆に切り込んでどんなバレエに仕上げるのか、どうぞご期待ください。

ものがたり

太陽神アポロンの息子オルフェオは美しい妻エウリディーチェと幸せな毎日を送っていたが、妻は毒蛇にかまれて死んでしまう。悲しみにくれたオルフェオは妻を取り戻しに黄泉の国へ下る。オルフェオの奏でる竪琴の美しい音色に心動かされた冥界の神は、黄泉の国を出るまでは後ろを歩く妻を決して振り返って見ない条件でエウリディーチェをオルフェオに返すことを約束する。しかし、いよいよ地上に出るというところでオルフェオは喜びのあまり後ろを振り返ってしまう。たちまちエウリディーチェは冥界に引き戻され、もう二度と愛する妻は帰ってこなかった・・・。(ギリシャ神話より)