舞姫ニキヤの恋。
古代インドを舞台に、舞姫と戦士の激しくも哀しい恋を描いた名作。
フランス語で「ラ・バヤデール」と呼ばれているこの作品は〈インドの寺院に仕える舞姫〉 を意味しています。
舞姫ニキヤは、ラジャー(国王)に仕える若き隊長ソロルと恋仲になる。しかしソロルが仕える王の娘ガムザッティはソロルとの結婚を望み、王はその願いをかなえようとする。士官の身では王の意に背くことはできずに結婚を承諾してしまったソロル。結婚式の日、舞姫のニキヤは沈んだ心で祝いの舞を踊るが、罠にはまり毒蛇に噛まれて死んでしまう。すべてに絶望したソロルは幻覚の中でニキヤに再会して至福の時を過ごすが、夢から覚めた時、神の怒りからか寺院が轟音とともに崩壊してしまう。そして、一筋の光の中を天に向かって恋人たちは昇って行く。
圧倒的なエキゾチズムと詩情あふれるこの名作は、規模の大きさ故に世界的にも上演の機会が少ないバレエでした。新国立劇場では今年の 2月に本バレエ中で“幻想シーン”として有名な「影の王国」の場面を上演して好評を博しており、今回は待望の全幕上演となります。ゲストにボリショイ・バレエ団からA・アントーニチェワ、英国ロイヤルバレエ団からC・アコスタが参加するほか、個性あるソリストたちによる数々の踊り、英国人A・リヴィングストンのデザインにより新製作された装置衣裳の豪華さ、そして音楽のアレンジも担当しているJ・ランチベリーの指揮による美しい旋律にもご期待ください。
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