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「女心の歌」など数々の名アリアに彩られたヴェルディ中期の幕開けを飾る傑作
圧倒的な成功を収めた1851年のヴェネツィアでの初演以来、ヴェルディの代表作としての評価を保ち続けている「リゴレット」。富と権力にものをいわせて放蕩無頼の生活を送るマントヴァ公爵、道化師として公爵に媚びを売る表向きの顔と娘を溺愛する父親というふたつの顔をもつリゴレット、その娘で純真で一途なジルダなど、個性的な登場人物ひとりひとりに名アリアを配するとともに、全体が緊密に構成されたこのオペラは、観るものに強い感動を与えずにはおきません。新国立劇場ではこれまでヴェルディのオペラを3作取り上げてまいりましたが、満を持しての「リゴレット」の上演にぜひご期待ください。
あらすじ
16世紀の北イタリア、マントヴァ。領主のマントヴァ公爵は、今夜も舞踏会でチェプラーノ伯爵夫人を誘惑するなど、女漁りに余念がない。道化師のリゴレットは公爵の欲望の手助けをしているが、かつて娘を辱められたモンテローネ伯爵が現れ「いずれ悪業の報いを受けるぞ」と呪いの言葉を投げつけられてしまう。一方、ジルダをリゴレットの妾と勘違いした公爵の廷臣たちは、日頃のリゴレットへの恨みからジルダを誘拐してきて公爵に献上する。激怒したリゴレットは、殺し屋スパラフチーレに公爵の暗殺を依頼する。このことを知ったジルダは自分が身代わりになることをとっさに決意し、凶刃を受けてしまう。金と引換に死体を入れた袋を受け取ったリゴレットは、遠くから公爵の楽しげな歌声が聞こえ愕然とする。あわてて袋を開けてみると、そこにはなんと最愛の娘が・・・。
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