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かくて新年は
Kakute Shinnen wa
小劇場 THE PIT

<スタッフ>
 
演出 :宮田慶子      
美術 :横田あつみ   照明 :中川隆一
音響 :高橋巖   衣裳 :半田悦子
演出助手 :北沢秀人   舞台監督 :澁谷壽久

<キャスト>
  かとうかずこ/新井康弘/一柳みる
有馬自由/魏 涼子/小嶋尚樹
大島宇三郎/北村 魚/菊池隆則

<公演日程>
 
12月

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●1:00
○2:00
           
●7:00                      
13(月)、20(月)は休演日です。開場は開演の45分前です。

<前売り開始日>
  1999年10月11日(月) 10:00〜

<チケット料金>
  A席:5,250円   B席:3,150円

  かくて新年はのチラシあらすじ
暮れも押し迫ったころ、自動販売機製作所社長・革島庫純(くらずみ)は、営業的な実力者である大阪支所の鳴川の力を借りて、自分の会社を株式組織に移行しようと準備を進めていた。彼の家族は妻の紫麻(しま)と姉の素子。紫麻は仕事一筋の庫純に満たされぬ思いを抱き、精力的な魅力のある鳴川へと密かに心は傾いている。紫麻の妹・十糸子(としこ)の夫・皎(あきら)もこの会社の一員で隣家に住んでいるが、彼に突然の解雇通知が渡される。株式会社への移行をいよいよ間近に控えた吹雪の夜、社内で労働争議が起きる。それを待っていたかのように、十糸子と皎は大阪へ行き、鳴川のもとで出直すと打ち明ける。こうして、鳴川が庫純を出し抜き、大阪に別工場を起こそうと画策していたことが露呈する。鳴川と庫純の狭間で揺れる紫麻。果たして彼らはどのように新年を迎えるのだろうか。

会社と家庭の危機に瀕した夫婦の行方・・・・・。
人間の心の機械を軽妙で細やかな言葉で表現した『かくて新年は』の筆致は、まさに驚嘆に値します。森本薫がいかに早熟の天才であったかを示す戯曲といえるでしょう。昭和初期、町工場の経営者が株式会社への移行を図る過程で起こる、さまざまな経済的・社会的問題に対峙しながらも、夫婦の絆を強めていく物語です。中年の夫婦が困難を乗り越え、再びお互いを見つめ直そうとする幕切れは、深い信頼と愛情とによって晴れやかに「新しい年」を迎えられるであろうと予感させます。リストラの嵐が吹き荒れ、また夫婦のあり方も問われている現代。今日にも通じるテーマと向き合ったこの舞台を昨年の『ディア・ライアー』で好評を博した宮田慶子が独自の視点で演出します。かとうかずこ、新井康弘、菊地隆則ら個性的な演出者による「森本薫の世界」第一弾、『かくて新年は』。どうぞご期待ください。

『かくて新年は』は、ある夫婦の揺れ動く心の行方を描いた芝居である。題材の今日性もさることながら、やむにやまれぬ状況の中に取り込まれ、もまれてゆく登場人物が何より魅力を持っている作品である。日常生活の持つ確かな手ざわりと共に、それぞれの心理の緻密な描写によって、濃密な人間関係の糸がつながる舞台を創りたい。題名の通り、いざ迎えんとする新しい年、そして新世紀を目前にして、社会の最小単位の核ともいえる“夫婦” に焦点をあて、「日々の生活」を足下から見つめ直そうとする、1999年12月にふさわしい舞台となろう。(宮田慶子)


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