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原 嘉壽子:「罪と罰」【全2幕】<日本語上演>

 
原作:フョードル・ドストエフスキー
台本:まえだ 純
公演監督:三林輝夫
公演監督補佐:中村 健
指揮:外山雄三
演出:加藤 直
合唱指揮:樋本英一
振付:伊藤多恵
美術:島川とおる
衣裳:合田瀧秀
照明:沢田祐二
舞台監督:菅原多敢弘
副指揮:工藤俊幸/城谷正博/関谷弘志
演出助手:伊藤明子
合唱:新国立劇場合唱団/二期会合唱団
管弦楽:東京交響楽団
芸術監督:畑中良輔
主催:新国立劇場/二期会オペラ振興会

<日程>

1999年 6月18日(金)18:30
      20日(日)15:00
     19日(土)15:00
         全3回公演

S席:12,600円
A席: 9,450円
B席: 6,300円
C席: 3,150円

前売開始 :1999年3月7日(日)10:00〜


   
 <出演者>
  6/18・20  6/19
ロディオン・ラスコーリニコフ
(ロージャ)
福井 敬 星 洋二
ソーニャ 鮫島有美子 大島洋子
志村年子 加納里美
ドーニャ 小畑朱実 大橋ゆり
ポルフィーリィ 工藤 博 佐藤光政
スヴィドリガイロフ 平野忠彦 松本 進
ルージン 久岡 昇 小栗純一
カテリーナ 辻 宥子 杉野麻美
主の声 谷 茂樹 大久保光哉
マルメラードフ 小篠一成(全日)    
ニコラーイ 久我茂樹(全日)    
ミーチカ 三松明人(全日)    




文豪ドストエフスキーの「罪と罰」が原作。罪の意識と孤独に悩む主人公の精神的救済を描くサスペンス風オペラ!

「罪と罰」(1866)、「白痴」(1868)、「悪霊」(1872)、「カラマーゾフの兄弟」(1879-80)等の小説で世界的名声を手にしたドストエフスキー。
これらの作品は、道徳的・政治的諸問題を中心に据えながら、サスペンス風に巧妙に組み立てられた筋書きで、瞬く間に読者を夢中にさせる魅力に溢れています。モーリヤック、カミュ、カフカ等多くの作家に深い思想的影響を与えました。中でも「罪と罰」は最も知名度が高く、日本では1892年に紹介されて以来、北村透谷、萩原朔太郎、大江健三郎等、知識層を中心に浸透しています。物語は、世界からの強い隔絶感に苦悶し極限状態に追い込まれた青年が、キリスト教的『愛』によって救済されるというものです。1849年に、空想的社会主義者の秘密集会の仲間とともに軍法会議にかけられ、シベリア流刑となったドストエフスキーが獄中で唯一読むことを許されたのが「聖書」でした。この体験を通じて、罪を犯した人間を救うことができるのはキリスト教的な愛だけと確信したのです。この長大な作品のオペラ化でも、信仰に後押しされた純粋無垢な心による『救済』を一つの大きなテーマとして焦点をあてています。今日の社会現象の中で、罪の意識、人間の愛の力という普遍的な命題について考えるきっかけともなり得る原嘉壽子作曲委嘱昨品、オペラ「罪と罰」に、どうぞご期待ください。



あらすじ

ペテルブルグの中心街で、強欲非道な高利貸しの老女アリョーナが斧で惨殺された。犯人の名はロディオン・ラスコーリニコフ。ロージャの愛称で呼ばれるこの青年は、鋭敏な頭脳を持ちながら、田舎に残した家族の期待に反して大学を辞め、職もなく貧しい生活を送っていた。彼は、罪を犯すことについて自ら考察した強い信念を持っていた。ナポレオンやマホメットのように絶対の権力を持つ者が虐殺を行っても、世界を変え人類を理想の未来に導いたのであれば犯罪者として咎められない。ならば、無益な存在の人間の命や財産を奪っても、それが社会のために役立つのであれば罪にとわれない。しかし、偶然居合わせただけのアリョーナの義理の妹まで殺してしまったことを含め、罪の意識に悩み、自分の殻に閉じこもってしまう。そんな彼に、辣腕予審判事ポルフィーリィの緻密で執拗な心理的追求が迫る。一方、妹ドーニャは、金にものをいわせてあたかも支配者のような態度を取るルージンとの結婚を、愛する家族のために承諾する。しかし、ロージャはこれに断固反対し、貧しさを呪う。唯一の救いは、自らの身を汚して家族を養っている娼婦ソーニャの存在だった。純真無垢な心を持った彼女の献身的な愛情によって、逡巡の末に自首するロージャ。流刑地シベリアで、天使のようなソーニャの信仰と清らかな涙に触れてついに心を開き、ロージャは真実の救済を受ける。


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