数々の実験的な手法を取り入れ演劇の革新を精力的に実践した20世紀で最も偉大な劇作家のひとり、ベルトルト・ブレヒト。数ある彼の戯曲の中でも『三文オペラ』と並ぶ代表作『母・肝っ玉とその子供たち』を上演します。ナチスに批判的な演劇活動を続け、亡命生活を余儀なくされたブレヒトが、1939年、スウェーデン滞在中に執筆した本作は、三人の子供たちとともにたくましく生きる一人の母親の目線から戦争の虚しさを訴えかける反戦劇です。
演出は、新国立劇場演劇の芸術監督で、昨年11月の朝日舞台芸術賞グランプリ受賞作『喪服の似合うエレクトラ』をはじめ、数多くの話題作を手がけている栗山民也が、学生時代から愛読してきたというブレヒト劇の演出に満を持して挑みます。主人公アンナ役には『喪服の似合うエレクトラ』での迫真の演技でグランプリ受賞の原動力となった大竹しのぶが、96年『セツアンの善人』以来二度目のブレヒト劇に挑戦。劇中効果的に挿入されるオリジナルの生演奏の音楽も楽しみのひとつです。
他にも、ミュージカル、小劇場、新劇などから演技力に定評のある実力派俳優を揃えてお贈りする21世紀のブレヒト劇『母・肝っ玉とその子供たち』にどうぞご期待ください。
なお、新国立劇場の公演に先行して、11/15(火)〜20(日)まで
兵庫県立芸術文化センター中ホールにて公演を行います。詳しくはTEL:0798-68-0255にお問い合わせください。