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新国立劇場は、オペラの素晴らしさを次世代に伝えることを重要な使命と考えています。「高校生のためのオペラ鑑賞教室」に続き、このたび、小・中学生を主な対象とした「こどものためのオペラ劇場」をお届けすることとなりました。オペラは音楽、演劇、文学、美術などが一体となった総合芸術です。目の前の舞台に広がる多彩なシーン、息づかいを間近に感じられる生の歌唱と演奏には、子供たちの心を大きく揺り動かす力があります。映画やインターネットでは味わえない、生の芸術に触れた驚きや感動は、子供たちにとってかけがえのない財産になること間違いありません。
今回、子供たちが集中して楽しむことができ、オペラの真髄が伝わる作品として、ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」４部作の子供向けダイジェスト版『ジークフリートの冒険〜指環をとりもどせ！』を上演いたします。オリジナルの「指環」は、新国立劇場では毎年１作品ずつ制作してきた４部作がこの春完結し、「トーキョー・リング」と呼ばれて、独創的な舞台と高い芸術性で世界的な注目を集めているところです。同じく「指輪伝説」を題材にし、同時期に製作された映画『ロード・オブ・ザ・リング』全３編も大評判をとっているように、神秘と冒険と愛の物語は、大人も子供も夢中にさせる力を持っているのです。このヨーロッパ芸術のひとつの究極作のエッセンスを、主人公ジークフリートの冒険と成長のドラマとして１幕にまとめ、ワーグナーの美しい音楽はそのままに、１３人編成のオーケストラの演奏と共にお届けします。長くバイロイトでワーグナーに取り組み、この「トーキョー・リング」を支えたスペシャリストである三澤洋史、マティアス・フォン・シュテークマンによる新しい舞台の創造に、どうぞご期待ください。そして、この夏には是非、お子様と一緒に劇場を訪れ、大切なひとときを体験してください。
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