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2012年12月10日

マンスリー・プロジェクト演劇講座
シリーズ『世界の演劇の今』T−イギリス−を開催しました

12月の演劇講座 シリーズ『世界の演劇の今』T−イギリス−が、7日(金)、8日(土)の両日、情報センターで開催されました。

まず、みなもとごろう氏が、ナショナル・シアターのこの秋の新作3本「This House」(英国議会下院を舞台にした話)、「The Curious Incident of the Dog in the Night-Time」(アスペルガー症候群の少年の話)、「The Last of the Haussman」(チェーホフ「三人姉妹」「桜の園」を下敷きにしたイギリスの名家の最後の話)をはじめ、この9〜10月にロンドンで観劇された30もの作品を取り上げ、ロンドンのホットな演劇情報を提供していただきました。

続いて、演出家の古城十忍氏がイギリス演劇全般について系統立てて説明されました。

イギリスといってもイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドと地域毎にArts Councilがあり、助成金のしくみも違うこと、またバーナード・ショーやマーティン・マクドナーを輩出したアイルランド演劇はまた別演劇であること。

また、ナショナル・シアター、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、地域の劇場、ツアー・カンパニー、ウエスト・エンド、ロイヤル・コート・シアター(英劇作家のための実験劇場)とそれぞれの劇場によって特色や公演形態が異なること。

演劇のジャンルについては、コメディ・オブ・マナーズ(風習喜劇)、労働者階級を対象としたリアリズム演劇、フェミニスト演劇、不条理劇といった従来からの演劇に加え、オペラ、ミュージカル、そして暴力や血なまぐさい演劇の「イン・ユア・フェイス(目の前の)・シアター」や、様々な人に取材して事実だけを芝居として構成するドキュメンタリー・シアターといった、新系統の演劇についても紹介されました。

お客様からは、「みなもとごろうさんの今シーズンの話が圧巻でどの芝居も見たくなった。こうした演劇を生み出し続けるイギリスの底力に感嘆した」「イギリスの演劇のテーマ性についてとても面白く感じた」「イギリス演劇は一本筋の通った奥深さ、伝統に培われているようで感心した」「次から次へと繰り出される話を食い入るように聞かせていただいた。みなもとさんの話に時おり入る古城さんの合いの手?も面白かった」などの感想をいただきました。
   
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「マンスリー・プロジェクト」は、リーディング、講座、トークなど多彩なプログラムで、直近の演劇公演を、さまざまな角度からお楽しみいただくための催しです。 参加は無料です。(※事前申し込みが必要です)。ぜひご参加ください。
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