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2012年9月27日

『ピーター・グライムズ』の舞台稽古が終了。間もなく公演です。

新国立劇場新シーズンのオープニングを飾るオペラ『ピーター・グライムズ』は、昨日舞台稽古を終え、今後はゲネプロを経て、皆様へ作品をご覧いただくのみとなりました。

本日は舞台稽古前半の様子をお伝えいたします。




場面はバルストロード船長とエレンの対話シーン。
当劇場はピットの高さが変えられますので、ピアノでの稽古ではご覧のように高さを上げます。



このプロダクションの装置の最大の特徴が、この傾斜した舞台です。
オーケストラピットは水平ですので、その角度がご想像いただけるかと思います。
歌手たちはここで歌い、演じ続けなければならないのですが、登山経験のある方なら
斜面にとどまっているだけでもいかに大変かお分かりいただけるのではないでしょうか。




前2枚にも出ていた舞台中央の二枚のボードは、シーンに合わせて開閉しますが、その開閉は、
当然ながら音楽に合わせなければなりません。
写真のようにスタッフが指揮者の映像と音、舞台の様子を見ながら操作のタイミングをその都度決定、指示して行きます。
本番と同様に、歌手も、スタッフも、音楽を共にしながらリハーサルを重ねていくのが
オペラの舞台稽古の特色と言えるでしょう。




写真左:スチュアート・スケルトン(ピーター・グライムズ役)
写真右:ウィリー・デッカー(演出)

このプロダクションは94年、ベルギーのモネ劇場での初演以来他劇場で何度も上演歴のあるものですが、新国立劇場にとっては「新制作」です。「ウィリー・デッカーの『ピーター・グライムズ』@新国立劇場」の創造のため、演出家自らの手での再創造が日々行われています。
デッカー氏曰く、「これまででこの新国での上演があらゆる面で最上の出来」とのことですので、
ぜひ皆様にはご期待いただきたいと思います。





稽古場でのリハーサルから舞台稽古を経て、出演者・スタッフのすべてが上演へ向けての最後の準備を進めています。

特に本公演ではオーケストラも入った舞台稽古の最後の最後まで、音楽面、演出面でのチェックが細部にわたり非常に入念に行われましたので、その完成度をぜひご期待いただきたいと思います。

10月2日に初日を迎える『ピーター・グライムズ』、只今好評発売中です。チケット情報は特設サイトからご覧ください。
現在ですと人気のB・C席にもまだ若干残席がありますので、お早目の席確保をお勧めいたします。




次回は衣裳・メイクも付いた舞台稽古の後半の様子をお知らせいたします。