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2012年6月11日

マンスリー・プロジェクト 演劇講座
「『サロメ』でワイルドは何を描きたかったのか?」が開催されました

6月の演劇講座「『サロメ』でワイルドは何を描きたかったのか?」が、9日(土)に中劇場で開催されました。

「サロメ」は、洗礼者ヨハネがヘロデに幽閉され殺されるという新約聖書の話と、ヨカナーンが娼婦にいびられるという二つの逸話を合体した話と思われること、原作のサロメは14〜18才位の少女で、当時の栄養事情を考えると相当華奢な体のはずであること、オペラ「サロメ」のタイトルロールから想像される妖艶な熟女のイメージは、ヘロデ・アンティパスの父・先代ヘロデ王の妹にあたるサロメ女王のイメージから来たと思われることなどなど、興味深い話をたっぷりと話していただきました。

また、「サロメ」の冒頭部分の台詞の、仏語、英語、森鴎外・福田恒存をはじめとする古今の日本語訳と平野氏の訳文を聴き比べ、訳文によってサロメのイメージがかなり変わってしまうことが実感できました。

お客様からは、「平野さんの才気とお人柄がにじみ出ていて大変充実した時間だった」「とても気さくな方で、予備知識が浅くても楽しめるお話でよかった」「今日のお話を聞いてもう一度舞台を見たくなった」などの感想をいただきました。
また、三島由紀夫が演出した「サロメ」を観たという方も2名おられ、今回の話を聞いて三島は自分自身をヨハネ(ヨカナーン)とダブらせていたのではと思ったと感想を寄せられました。
  

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「マンスリー・プロジェクト」は、リーディング、講座、トークなど多彩なプログラムで、直近の演劇公演を、さまざまな角度からお楽しみいただくための催しです。 参加は無料です。(※事前申し込みが必要です)。ぜひご参加ください。
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