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2012年3月12日

オペラ『オテロ』の舞台は、50トンもの水をたたえた、蜘蛛の巣の様な運河が登場。 (2009年初演時の読売新聞掲載記事のご紹介)

2011/2012シーズンオペラ『オテロ』は、舞台上に50トンもの水をたたえ運河を蜘蛛の巣のように張り巡した舞台装置が登場します。演出のマリオ・マルトーネは、「私が特に注視するのはイアーゴです。私にとって、彼を理解するキーワードは“蜘蛛の巣“です。今回の舞台装置が表すのはヴェネツィアという街の空間ですが、それはオテロの心の中の都市であり、あたかも蜘蛛の巣が張っているかのような、迷宮としてのヴェネツィアなのです。」(2009年公演プログラム プロダクションノートより)と語っています。
この“イアーゴの陰謀の街”ともいえる舞台について、読売新聞に掲載された記事をご紹介いたします。
4月1日(日)公演初日をどうぞご期待ください。



 
心の迷宮 水と橋で表現

 
(読売新聞社  写真・立石紀和)
 ステージの上の運河に水が波打ち、照明できらめく。
 シェークスピアの戯曲をもとに、作曲家ベルディが晩年の7年を費やして作り上げた悲劇オペラの傑作「オテロ」。
 ムーア人の英雄オテロは、士官イアーゴの悪だくみにより妻デスデモナに不貞の疑いを抱く。針の穴ほどだった猜疑心や嫉妬心は次第に膨らみ、やがては妻を殺し、自害する。
 演出を手掛けるのは、イタリアの映画監督で最近はオペラの演出も行うマリオ・マルトーネ。ベネチアの町のセットで、「水」と、不規則に張り巡らされた「橋」を効果的に使い、妄想に揺れ動くオテロの心の迷宮を表現した。
 張った水は計50トン。新国立劇場の舞台でこれほど水を使ったのは初めてで、スタッフが、まず搬入口に置いたプールに6時間かけて水を入れ、そこから舞台に特設したプールにポンプで水を移し、その作業を2回。水漏れしないよう、防水シートの張り方などテストを繰り返したという。
 オテロやイアーゴが水に入る場面も。火を使うシーンもあり、激しい心理劇となりそうだ。

(2009年9月16日 読売新聞(持丸直子))
※読売新聞社の許諾を得て掲載しています
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公演情報ページは下記をご参照下さい。
新国立劇場2011/2012シーズンオペラ「オテロ」ダイジェスト動画付き特設ページ