新国立劇場について メニュー

2011年10月27日

ノルウェーでは「何度も観たい!」若者が続出
ドヴォルザーク『ルサルカ』(新制作11/23初日) リハーサル開始

2011/2012シーズンオペラ ドヴォルザーク『ルサルカ』(新制作)のリハーサルが始まりました。日本でドヴォルザークといえば、交響曲第9番『新世界より』の作曲家として有名ですが、チェコの民族的オペラに貢献し美しいメロディにあふれるオペラ作品を残したことはそれほど知られていません。
今回新国立劇場で新制作となるのは、2008年斬新なデザインで完成した新オペラハウスとして話題となったオスロのノルウェー国立オペラ・バレエからのプロダクション・レンタルです(2009年初演)。多感な少女が夢の中で見る、闇に輝く月、戯れる精霊、神秘のベールに包まれた森での出来事は、少女が成長していく過程で避けることのできない厳しい現実でもあります。このプロダクションは、ノルウェーでも知名度の低かった『ルサルカ』を一気に、劇場でどの作品よりも再演を求められる人気作品に変えた秀作です。初演を観た多くの若い観客に、「もう一度観たい、何度でも観たい」といわしめた、ポール・カラン演出の『ルサルカ』。見のがせません!また、チェコ出身の指揮者キズリンクは新国立劇場初登場、ルサルカ役は本年6月の『蝶々夫人』タイトルロールで美声と可憐な舞台姿を披露したグリャコヴァです。

ノルウェー国立オペラ・バレエ公演『ルサルカ』(2009年)
photo:Erik Berg

『蝶々夫人』タイトルロールで絶賛を博した
オルガ・グリャコヴァ(2011年6月)

リハーサルは、10月26日(水)に出演者・関係者全員集合でスタートしました。
11月23日(水・祝)初日に、どうぞご期待ください。

公演情報ページは下記をご参照下さい。
☛『ルサルカ』公演特設WEBサイト
☛『ルサルカ』池辺晋一郎出演 オペラトーク情報

『ルサルカ』集合写真 

【指揮者:ヤロスラフ・キズリンク】
新国立劇場に来ることができて、光栄です。『ルサルカ』はドヴォルザークの美しい、しかし深い意味を持つおとぎ話で、指揮するのはこれで5回目です。世界中で愛されている作品ですから、日本の皆さんにもきっと愛されることと信じています。メロディーもオーケストレーションもすばらしい。必ずや気に入っていただけるでしょうけれど、私のスピーチはさておき、音楽を聞いていただくことの方が大事ですから、このへんで。(笑)

【演出家:ポール・カラン】
プロダクションチームを代表して、ここに来られる機会を与えて頂いたことを心から感謝申し上げます。この作品はオスロのノルウェー国立オペラ・バレエで初演されましたが、上演前はノルウェー国内で『ルサルカ』について知っている人は誰もいなかったのです。それが上演後には、誰もが知っている有名人気作品となりました。オスロでの初演から3年。今では、再演を求める声が最も大きい演目なのです。これは単なるおとぎ話ではなくて、ハッピーエンドで終わらない、いわばアンチハリウッドの物語なのです(笑)。ですから、人生における成長の過程で、実際にいろいろなことがおこるように、作品の中でも厳しい現実をつきつけています。10代の若者が成長していくことがいかに大変なのか、この作品の演出では、同世代の観客の心に響き、共感を呼び起こす描き方をしているので、この作品を観た若者たちは、「もう一度観たい」「何度も見たい」と言っています。もちろん、オペラを初めて見る人でも十分楽しめます。
新国立劇場の幹部および、すばらしい準備をしてくれているスタッフのみなさんに心からお礼を申し上げます。また、すばらしい歌手のみなさんとともに、作品を創りあげるのが楽しみです。指揮のキズリンクさんとは7年前にアイルランドでご一緒して以来の嬉しい再会です。みなさん、よろしくお願いいたします。

指揮:チェコ出身のキズリンク

演出:ポール・カラン
(ノルウェー国立オペラ・バレエ オペラ芸術監督)

左より:グリャコヴァ、レンメルト、シェロミアンスキー、ピンター