新国立劇場について メニュー

2011年10月24日

マンスリー・プロジェクト
演劇講座「日本的美意識とは何か」が開催されました

2011/2012シーズンの【マンスリー・プロジェクト】第2弾、10月の演劇講座「日本的美意識とは何か」が、22日(土)に小劇場で開催されました。

今シーズンの演劇のシリーズテーマ「【美×劇】−滅びゆくものに託した美意識」にちなみ、美術批評の第一人者であり、西洋美術館館長などを歴任、現在は大原美術館長を務める高階秀爾氏が、西洋との比較における日本の美意識について、100点を超える写真や画像をスクリーンに映しながら具体的に解説されました。

肉体賛美の西洋画と自然賛美の日本画、人物画でも背景まで細かく描く西洋画と、背景は描かず人物に集中して描く日本画、遠近法を使った奥行きのある西洋画と、平坦な日本画、建築物が重要文化財の指定を受けてもその直ぐ前を人が行き交う西洋と、建物の周りの自然まで含めて重要文化財となる日本、西洋の手のこんだ室内装飾と、殆ど何もないシンプルな日本の室内装飾、幾何学模様の人造的な西洋型庭園と、枯山水などの自然の石を配した日本庭園など、興味深い考察をたっぷりと聞かせていただきました。

お客様は熱心に受講なさり、「自然との一体感の中で育まれた日本独自の文化が江戸期までは明確にあったことに気づかされた」「日本人の美意識についての話を伺い、とても心が豊かになり、日本人であることの幸せを再認識した」「様々な作品の造形要素を丁寧に説明していただき、将来芸術学科への進学希望の私にとって非常にためになった」「演劇、絵画をみる視点が広がった」などの感想をいただきました。