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2010年6月12日

オペラ「鹿鳴館」オペラトークを開催しました

6月24日(木)に初日を迎えるオペラ「鹿鳴館」のオペラトークが6月12日(土)、開催されました。

故・若杉弘芸術監督が今オペラ化するのに最も相応しいとして選んだ三島由紀夫の名戯曲「鹿鳴館」。
その作曲を委嘱した作曲家池辺晋一郎氏と、上演台本の作成と今回の演出家でもある鵜山仁氏を迎え、いよいよ世界初演を迎える今作の作曲の経緯から今まさに進行中の創作現場の話まで、魅力的なトークが行われました。

池辺氏は「若杉氏からこの作品の構想を聞かされたのは10年以上も前の話。若杉氏の思いに報いたい」、鵜山氏は「若杉氏とはいくつものオペラ作品を作った。若杉氏は文学座で俳優の勉強もしてきた人でその意味でも大先輩。この作品はオペラ史に残る作品になるだろう」と語りました。
お二人の話からこの作品には、若杉氏自身の豊富な創作アイディアがちりばめられ、若杉氏がこの作品の上演にどれだけ熱い思いを抱いていたかが窺えました。

作曲家と演出家の立場からの作品解釈や創作の話は大変興味深いもので、「三島はもしかしてチェーホフを意識して創作していたのではないか」(池辺)、「影山伯爵と伯爵夫人の関係は『フィガロの結婚』のアルマヴィーヴァ伯爵と伯爵夫人の関係に似ているのでは?」(鵜山)など様々な面白い話が披露されました。

また、池辺氏は故・若杉弘芸術監督に代わって指揮を執る沼尻氏のオーケストラリハーサルに立ち会い、すべての役柄を演じ、歌いながらリハーサルを進める沼尻氏の入魂の演奏に大満足の様子でした。

池辺氏自身のピアノ演奏による楽曲紹介も含め、充実の90分となりました。

オペラトーク「鹿鳴館」
6月12日(土)11:00開演 オペラパレス ホワイエ
<出演>
池辺晋一郎(作曲)
鵜山仁(上演台本・演出)
新井鷗子(司会:音楽構成作家)

公演情報の詳細は、こちらをご覧ください。

左:新井鷗子 中央:池辺晋一郎 右:鵜山仁

ピアノを用いて説明をする池辺氏

 

池辺晋一郎

鵜山仁