新国立劇場について メニュー

2009年4月13日

ローラン・プティのコッペリア ものがたりと見どころ!

19世紀に生まれた名作バレエを、お洒落でキュートな作品に仕上げたローラン・プティ。その「コッペリア」を、新国立劇場バレエ団が2年ぶりに再演します。
指先から足先まで、体や顔のすべてを使って表現する“プティ・ワールド”の「コッペリア」。
独特のユーモアあふれる大人のバレエをお楽しみください。


♪動画はコチラ
♪公演情報はコチラ



<ものがたり>
町の女の子たちは、衛兵に夢中。広場にやってきた衛兵たちに向かって投げキッスをし、衛兵たちもまんざらではなさそう。女の子たちのかわいらしい動作、衛兵のきびきびした踊りが見どころです。

スワニルダはフランツを愛していますが、フランツは別の娘が気になって仕方がありません。その娘は、コッペリウスの部屋のバルコニーに座っているコッペリアです。「あんな娘のどこがいいの?」とフランツに詰め寄るスワニルダ。フランツにキスを求めても、かわされてしまいます。

衛兵たちのきびきびした踊りがみどころ

クラシックの枠を超えた、表情豊かで楽しい踊り

 

一方、コッペリウスはスワニルダのことが気になる様子。動揺して部屋の鍵を落としてしまいます。それを拾ったスワニルダは友達と一緒にコッペリウスの部屋で侵入。人形の部品が並んでいる棚を発見し、コッペリアも人形であることがわかります。スワニルダたちの恐怖におののく芝居は見ものです。

「鍵がない!」と慌てて帰宅したコッペリウス。スワニルダたちを見つけて鍵を取り返します。邪魔者がいなくなったところで、愛するコッペリアとのディナー・タイムです。「待ってました」といわんばかりのコッペリアへの迫り方、コッペリアへの紳士的な態度など、コッペリウスの演技にご注目ください。

コッペリウスと人形コッペリアの踊り。初演時、ジジ・ジャンメールが体調不良で踊れなくなってしまったため、コッペリウス役のローラン・プティが苦肉の策として生みだした踊りです。プティ版「コッペリア」の代表的な場面ですのでお楽しみに。

コッペリアがどうしても気になるフランツが、コッペリウスの部屋に忍び込みます。コッペリウスに歓待されたフランツはシャンパンを飲みますが、なぜが無性に眠くなり、しまいには熟睡してしまいます。そう、シャンパンには薬が入っていたのでした。

スワニルダ達のおっかなびっくりの演技は見もの

コッペリウスと人形コッペリアの踊り

 

コッペリウスは、眠っているフランツの魂をコッペリアへ移して、コッペリアを本物の人間にする実験をします。するとどうでしょう、コッペリアが動き出しました! ……実は、コッペリウスをからかおうとスワニルダが人形のフリをしているのですが、コッペリウスは気づきません。スワニルダの人形風のユーモラスな動きに注目です。

目が覚めたフランツは、コッペリアが人形だとわかり、自分が愛しているのはスワニルダだと気づきます。相思相愛となった2人は、幸せいっぱいのパ・ド・ドゥを踊ります。スワニルダの友達や衛兵、町の人たちも一緒になり、華やかな踊りをします。

みんなが楽しく踊っている広場に、コッペリウスが人形をもってやってきますが、誰も取り合いません。最後に人形コッペリアはバラバラになってしまい、コッペリウスは呆然と立ち尽くすのでした。


舞台写真:瀬戸秀美

(会報誌The Atre 2009年2月号掲載)


人形コッペリアになりすましたスワニルダ

人形を抱えるコッペリウス。周りは誰もとりあわない