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2007年6月4日

“「ばらの騎士」はオペラの中のオペラ”
“オケと一体となった圧倒的な何かにのまれた”

6日にプレミエを迎える新制作 R.シュトラウスの名作「ばらの騎士」のゲネプロが昨日行われました。新国立劇場友の会『クラブ・ジ・アトレ』では、オペラ新制作公演で会員の方を対象にした『アトレ・ゲネプロ見学会』を行っています。今回は以下のようなご感想をいただきました。

■「ばらの騎士」公演情報はこちら。
■「ばらの騎士」オペラトークの模様はこちら。

<アトレ会員のゲネプロのご感想>
●開場当時から待ち望んでいた「ばらの騎士」の上演で、しかもジョナサン・ミラーの演出を楽しみに劇場に参りました。美しい音楽で幕が開くと、美術館の様な舞台を元帥夫人役ニールントの気品ある美しさと歌唱に心を打たれました。白のドレスが貴族社会の豪華さをさらに引き立てていました。4時間が大変短く感じ、やはり「ばらの騎士」はオペラの中のオペラです。(60代 女性)

●本プロダクションは指揮者ペーター・シュナイダーと演出家ジョナサン・ミラーの勝利。20世紀初頭のウィーンに時代を移しての演出であったが、甘美と憂愁に満ちた雰囲気が感じられた。本番の期待がさらに高まった。(50代 男性)

●廊下のあるセットが新鮮でした。舞台中央で繰り広げられることと別に、それ以外の人々の動きとか雰囲気が感じられて、より具体的にオペラの世界に入り込めました。歌手の皆さんは演技もすばらしく、特に1幕の元帥夫人には切なくなりました。1幕の終わりは横顔が美しくて、消え入るオケとともに心に残っています。3幕の三重唱は三者三様の想いが迫ってきて、オケと一体となった圧倒的な何かにのまれて、気づくとだらだら泣けていました。主役だけでなく、厚みのあるドラマの中にいたので、しばらくぼーっとした程です。日本にいてこんなオペラが見られるということに感謝です。(40代 女性)

●まず、この3年間で新国のオペラ上演の水準を飛躍的に引き上げてくれたノヴォラツスキー芸術監督に厚く感謝いたします。今回の「ばらの騎士」は監督最後の新制作上演でもあり、最高のステージに仕上がっていると感じました。キャスト、スタッフともに粒ぞろい、中でもツィトコーワとニールントのコンビは声、演技、姿、すべてでこの役にぴったり、見事です。演出もこの作品の時代に合わせた簡略ながらシャレた作り、人物の心理描写、時代風俗描写に、こまやかで穏やかな仕上げで好感がもてました。(70代 男性)

●何といってもペーター・シュナイダーの指揮がよい。優雅でウィットに富むR.シュトラウスの世界を紡ぎだしていた。オーケストラもそれに応えて健闘。歌手は多少不満が残る人もいたが、脇役たちの演技の面白さはなかなか。廊下と鏡が必ず出てくる装置も面白かった。外の世界とのつながりを意識させる。照明は時の移ろいと心のひだを微妙に表現していて秀逸だった。このレベルの公演が続けばと思う。(60代 男性)

●オックス男爵の存在感には圧倒されました。あんなにワインを(水ならもっと)飲んで大丈夫かと心配になった。指揮、オケ、出演者が充実しているので、本番が久し振りに楽しみだ。期待している。(60代 男性)

●全体としてそつなくまとまっている。舞台装置が大変美しく、かつシンプルでよい。指揮にはもう少し場面間のメリハリがほしいと思った。オケの音は良くも悪くも普通。歌手は元帥夫人が断然よい。指揮、オケ、歌手ともにもう少し観客を引き込ませるような盛り上がり、迫力がほしい。最近のオペラの中ではクオリティが高く、安心して見ていられる。反面、これはスゴイ、と思われるものがなかったのは残念だ。(30代 男性)

●R.シュトラウスの作品は「ナクソス島のアリアドネ」「サロメ」「アラベッラ」「エレクトラ」と新国立劇場ではこれまでにたくさん見てきましたが、今日のこの至福のひと時は、しばらく頭から離れないでしょう。たくさんの感激、感動をありがとうございました。(70代 女性)

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