栗山民也氏が芸術監督(演劇)に就任

 7月1日、演出家 栗山民也氏が新国立劇場の芸術監督(演劇)に就任しました。
 演劇部門の芸術監督は、故・渡邊浩子前芸術監督が98年6月に他界された後は空席となっておりましたが、同年10月に芸術参与に就任した栗山民也氏がこのたび芸術監督に就任いたしました。任期は平成15年6月30日までの3年間です。
  なお、オペラ部門、舞踊部門については、昨年7月1日にそれぞれ五十嵐喜芳、牧阿佐美両氏が芸術監督に就任しています(任期は平成14年6月30日までの3年間) 。


芸術監督就任にあたって 栗山民也

 シェイクスピアは、ハムレットにこんな言葉を語らせています。「演劇は時代を映す鏡である」と。それに倣えば、演劇の現代化とは、時代と真っ直ぐに向き合っている社会、人間、そしてその世界を鏡に写しとることから始めなければならないと思います。
 情報通信化時代の拡がりのなかで、人間の生活はコンピューター機器との疎通が日常となり、人間同志のコミュニケーションが断絶され、孤立化しつつあります。最新流行にいち早く飛びつき、同一の情報を獲得することでブランドに満足する、そして、みんな同じ顔になってゆくのです。全てが便利になった代わりに、一体何を失い何を忘れてしまうのでしょうか。
 劇場とは、人間の対話の場所でなければならないと思います。違ったバラバラの自由な価値観が、その場でぶつかり合い新たな可能性を見つけることの出来る、そんな奇跡の起こる場所――――だから今、時代の中の楽しいこと、嫌なこと、難しいこと、そして美しく感じられることなどを、私達自身の物語として、創ってゆかなければならないと思うのです。

 
栗山民也氏プロフィール

早稲田大学文学部演劇学科卒業。芸能座を経て、木村光一氏の演出助手をつとめ、フリー演出家となる。初演出は『ゴドーを待ちながら』、主な舞台に『阿国』『日本人のへそ』『獅子を飼う』『二十四の瞳』『黙阿弥オペラ』『エイミィズ・ヴュー』などがあり、小劇場から大劇場、商業演劇の演出まで幅広く活躍。『ゲットー』の演出で平成7年度芸術選奨文部大臣新人賞受賞、第30回紀伊国屋演劇賞受賞、第3回読売演劇賞最優秀演出家賞受賞。新国立劇場では『今宵かぎりは…』『ブッダ』『キーン』『夜への長い旅路』を演出。



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