新国立劇場からのおしらせ

第8回 五館合同特別講義が行われました


12月4日(金)新国立劇場にて、国立劇場・国立能楽堂・国立文楽劇場・国立劇場おきなわ・新国立劇場の研修所から1年目の研修生が一同に集まり、五館合同特別講義が行なわれました。

国立劇場からは19名、国立能楽堂からは2名、国立文楽劇場からは3名、国立劇場おきなわからは8名、新国立劇場からはオペラ研修生5名、バレエ研修生6名、演劇研修生12名の計55名が参加しました。


第8回目となる今年は、御自身も文化庁の研修生として学ばれ、現在メゾソプラノ歌手として世界的な活躍をされている永井和子新国立劇場オペラ研修所長が、自らの経験をもとに、プロの舞台人を目指す研修生がもつべき心構えを話されました。以下、講演の内容を抜粋してお伝えします。


良き舞台人になるために

永井和子 新国立劇場オペラ研修所長

礼に始まり礼に終わる
かつて私が初めて舞台に立ったとき、厳粛で神聖な空気を感じたことを覚えています。日本舞踊には「礼に始まり礼に終わる」という言葉があります。私たちは舞台に向かってお辞儀をします。私が研修所で学んだことは、舞台の神聖さ、どういう姿勢で舞台に上がるべきかという心の姿勢でした。


○表現の源はすべて息
オペラ歌手にとって大切なことは、良い声、立派な声をもつだけではなく、何かを表現する声を磨くこと。すべての表現の源は息なのです。「息」という字は「自分の心」と書きます。何かを表現する声を磨くためには、自分の心を磨くことが必要になります。


○相手役の中に自分の役がある
「蝶々夫人」のスズキは脇役ですが、主役の蝶々さんよりも舞台上に出ている時間が長い。なぜこれほど長い間舞台に必要とされているのか。自分のことだけを考えていても答えは出ません。自分の役を究めるには、相手役をよく知ることで、相手のもつ自分にはない素晴らしさや尊敬できるところを発見する。それが自分の存在意義を見つけることにつながります。


○日本人としての感性を磨く

日本人としての誇りをもって海外に向き合って下さい。日本人は、季節の巡りの中で培ってきた感性をもっています。日本語には繊細な言葉で、同じ「雨」を表すのにも「時雨」「五月雨」「春雨」等、たいへん多くの表現があります。日本人としての文化や感性を自覚し研鑽を積んでいくことで、世界に臨んでください。




講義の後にはレストラン マエストロにて懇親会が開かれました。

和気藹々とした雰囲気のなか、研修生たちは自身の受けている研修の内容を教えあったり、それぞれの舞台について質問しあうなど、積極的に交流を図っていました。

ジャンルは違えど、同じ舞台人を目指す仲間からの刺激を受け、研修生たちは自らの歩む道への思いを強めたようでした。