研修所ニュース

第9回五館合同特別講義が行われました


 12月1日(木)に国立劇場にて、新国立劇場・国立劇場・国立能楽堂・国立文楽劇場・国立劇場おきなわの研修生が一同に集まり、五館合同特別講義が行われました。オペラ研修所からは第19期生5名、バレエ研修所からは第13期生7名、演劇研修所からは第12期研修生15名が参加いたしました。


 今年は長唄囃子方(ながうたはやしかた)の田中佐太郎(たなかさたろう)氏に講義をしていただきました。「囃子」とは、笛、太鼓、小鼓、大鼓など三味線以外の楽器で演奏する音楽のことですが、それは単なる伴奏音楽ではありません。芝居の進行に合わせて、風や雨、雪などの情景描写から役柄の心情まで、舞台の音楽・効果音のすべてを担っています。田中氏は2012年重要無形文化財保持者に認定され、文化・芸能の伝承に力を入れて活躍されています。

 
 講義では「良き舞台人になるために」と題して、田中氏のお父様・十一世田中傳左衛門氏が残された言葉や教訓を語ってくださいました。「影の正直は自己の品位を高める」(=人が見ていないところで努力する大切さ)など舞台人としての姿勢や決意についてお話くださり、研修生達はメモを取り真剣に耳を傾けていました。

 
 講義後には、各研修所との懇親会が行われました。現代舞台芸術・古典芸能のジャンルを越えた交流により、研修生にとっては大変有意義な時間となりました。



講義する田中佐太郎氏