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「ヘンリー四世」が初日を迎えました(11/26 第一部、11/27 第二部)

演劇ヘンリー四世が初日を迎えました。(11月26日 第一部-混沌-、11月27日 第二部-戴冠-)

 

新国立劇場がこれまでに上演し大きな称賛を浴びてきた、シェイクスピアの歴史大作『ヘンリー六世』三部作(2009)、『リチャード三世』(2012)に続き、この冬は『ヘンリー四世』二部作をお贈りします。

 

本作はヘンリー六世の祖父であるヘンリー四世、その息子で放蕩三昧のハル王子(後のヘンリー五世)、そしてシェイクスピア作品のなかでも人気者のフォールスタッフらの活躍をダイナミックに描く二部6時間にわたる大作です。

 

26日、その第一部が初日を迎えました。

舞台は15世紀ロンドン。王ヘンリー四世は、前王リチャード二世から王位を簒奪した罪悪感に苛まれていた。一方、長男ハル王子は大酒飲みの、無頼の騎士フォールスタッフと放蕩三昧。そのころノーサンバランド伯の息子パーシーらが謀反を起こす。出陣したハル王子と反乱軍を率いる熱血漢パーシーの一騎打ちの行方は......。

 

第一部初日、終演後はスタンディングオベーションとなり、大きく温かい拍手に劇場全体が包まれました。

 

そして本日、第二部も幕を開けました。

フォールスタッフは反乱軍との戦いで手柄を立て、過去の罪状を許されるが、ノーサンバランド伯の討伐軍に加わることになる。昔馴染のシャロー判事の暮らすグロスターシアに徴兵に訪れた彼に、ハル王子がヘンリー五世として即位したとの報が。意気揚々と新王の前に姿を現すフォールスタッフを待ち受けていた運命とは?

 

昨日に続いての俳優陣の熱演に、客席ではある時は笑いが巻き起こり、そしてある時はすすり泣く声も......。第二部の初日は、昨日同様大きな拍手と感動に包まれての終演となりました。

 

「王子から王へ」成長を遂げるハル王子、王という立場ゆえの苦悩が絶えないヘンリー四世、そして愛嬌あふれる悪党フォールスタッフら、それぞれに魅力的なキャラクター群が鵜山仁の演出と豪華キャスト陣によってどのように立ち上がってくるのかも大きな見どころです。満を持してお贈りする歴史大作の新作にご期待ください。

 


第一部ー混沌ーより 左から浦井健治、佐藤B作

 


 


第二部ー戴冠ーより 左から浦井健治、中嶋しゅう


 

先日行われたメディア向け公開舞台稽古にて、本番直前の意気込みを語ったキャストのコメントもお届けします!

 

浦井健治

このシリーズに携われていることが奇跡だと感じます。中嶋しゅうさん、岡本健一さんを始め『ヘンリー六世』から参加しているメンバーの顔ぶれはもはや肉親のようで、貴重な時間を与えられていると思います。今作から参加の佐藤B作さん、ラサール石井さんも本当に尊敬する先輩方です。これまで稽古を重ねてきて、カンパニー全員が命を賭けて時間を費やしています。お客様には『ヘンリー四世』で過ごした時間を心に刻んでいただきたい。この大作をお祭りだと思って楽しんでいただきたいです。

 

岡本健一

(公開舞台稽古でお見せした)第二部で演じるピストルはいつも周りのほうで騒いでいる、いわゆる"飛び道具"のような存在。第一部では反乱軍を率いるホットスパーを演じますが、全然違う感じです。ぜひどちらも劇場で観ていただきたいです。シェイクスピア作品といえば高尚なイメージがありますが、今回は良い意味でそうではなく、皆さんの日常に入ってきやすいと思います。劇場の"生"の空間・時間で生まれる感動を早くお客様と共有したいです。

 

ラサール石井

第一部ではギャッズヒルというフォールスタッフの手下、第二部では判事のシャローを演じます。この場面は周りのみなさんもボケまくりで、面白いシーンになっています。最初台本を読んだときは難解でしたが、実際に稽古場で役者が演じるととてもわかりやすい。さすがに芝居は「生き物」ですよね。それに鵜山さんの演出がすごく面白い。全然飽きないと思いますよ。

 

中嶋しゅう

『ヘンリー六世』からのメンバーたちとは、皆で顔を合わせた途端に「ああ良い感じだなあ」と思える空気感がありますね。そしてB作さん、ラサールさんは一見シェイクスピア作品なんてやらなさそうだけど(笑)、参加してくれて僕はとても嬉しくて。味がある2人ですよね。2人が入ってカンパニーの雰囲気もまた変わりました。通しだと6時間超の長丁場ですが、とても楽しみです。

 

佐藤B作

本当にシェイクスピアとは今まで縁が無くて(笑)、演じるのは今回が初めてです。実際やってみるとすごく大変です。こんなにセリフの量がある役は初めて。初日に間に合うだろうか......不安だバカヤローって感じです(笑)。最初で最後かもしれないこんな機会を精一杯楽しんで、本気の気持ちだけは失わずに頑張ろうと思っています。

 

 


シェイクスピア関連の年表をロビーに展示中(監修:河合祥一郎)
「ヘンリー六世」で実際に使用した椅子と王冠。座って記念撮影もしていただけます


関連書籍も多数展示しています。
初日公演後の楽屋にて宮田慶子芸術監督、小田島雄志氏、鵜山仁氏