演劇芸術監督
宮田慶子

2015/2016シーズンは、『太平洋序曲』(2000年・2002年)、『INTO THE WOODS』(04年・06年)でおなじみの、作曲家ソンドハイムのミュージカル『パッション』で幕を開けます。ブロードウェイ初演時にトニー賞の4部門に輝いた、「愛すること」の核心に迫る独創的で知的な魅力に溢れる作品を、日本初演で上演します。

続く11月は、チェーホフの名作『桜の園』の登場です。新国立劇場ではこれまでに2002年にシリーズ「チェーホフ・魂の仕事」vol.5として上演をしていますが、今回は鵜山仁の演出による新制作の上演です。

12月は、現代世界の紛争に題材をおいて描く『バグダッド動物園のベンガルタイガー』。09年にアメリカで初演され、ピュリッツァー賞候補にもなった話題作の日本初演に、気鋭の演出家・中津留章仁が新国立劇場に初登場します。

そして、3~5月は、シリーズ「鄭義信三部作」と題し、劇作家・演出家 鄭義信が、新国立劇場に書き下ろした記憶に残る名作、『焼肉ドラゴン』(08年・11年)、『たとえば野に咲く花のように』(07年)、『パーマ屋スミレ』(12年)がいよいよ三作品そろって再登場します。戦後の50年代、60年代、70年代それぞれの時代を、哀しくおかしく、たくましく生き抜くひとびとの姿を描いた、心に響く三作品を連続上演いたします。演出は、初演と同じく、『焼肉ドラゴン』『パーマ屋スミレ』には鄭義信、『たとえば野に咲く花のように』には鈴木裕美があたります。

そして、6月は17世紀イギリスの劇作家ジョン・フォードの代表作『あわれ彼女は娼婦』。道徳・因習への挑戦、正義、愛を描いた問題作を栗山民也の演出で上演します。

シーズン最後の7月は、60年代から現在まで、現代日本の演劇を代表し、劇作の可能性を牽引しつづける劇作家、別役実の書き下ろし新作を上演します。日本の文化文明の土壌に、まっすぐに切り込む意欲作を、宮田が演出に挑みます。

ひとの肉声によってのみ伝わり、感じ取り、共有できる演劇の大切さが、ますます切実に必要な時代になってきている気がします。演劇の魅力をお届けするとともに、しっかりとした、底力のある舞台を作っていきたいとおもいます。ご期待ください。

宮田慶子 プロフィール・演出作品