ヘンリー六世 第二部
敗北と混乱

シェイクスピアの壮大な歴史劇 〜三部作一挙上演!

作:ウィリアム・シェイクスピア  
翻訳:小田島雄志
演出:鵜山 仁

第二部 主なキャスト(台本順)
浦井健治
中嶋しゅう
勝部演之
渡辺 徹
村井国夫
上杉祥三
中嶋朋子
久野綾希子
今井朋彦
岡本健一
ほか

三部作全体の主な配役はこちら

新国立劇場ならではの大型企画の登場です。鵜山仁芸術監督による3シーズン目の中心となる演目のひとつです。鵜山は就任時に4つの指針を掲げていますが、そのひとつ「大きな物語」の再生、つまり古典の読みなおしにあたるのがこの『ヘンリー六世』の上演です。本作は15世紀イギリス史上名高い百年戦争と薔薇戦争の史実をもとに、シェイクスピアの作品中、唯一三部に渡る壮大な歴史劇。この作品の持つ普遍的な人類の愛憎、戦闘の様相と現代の我々の社会との接点を探りながら、さまざまな人間の生き様に焦点を当てる魅力的な試みとなります。公演形態も毎日日替わりで一、二、三部を上演する他、三部作の一挙上演も検討中です。
人気、実力を兼ね備えた強力なキャスト陣が集結し、今から各界の注目が集まる話題作です。

ものがたり

ヘンリー六世とマーガレットの結婚に反対する叔父の摂政グロスター公は、ウィンチェスター司教らと対立し、彼らの陰謀に巻き込まれる。妻エリナーが魔術を使ったかどで逮捕され、グロスター公自身は無実を主張するが、反勢力に押し切られたヘンリー六世に摂政の地位を追われ、王妃の愛人となったサフォーク公らの策謀によって暗殺されてしまう。このような貴族間の抗争の最中、ヨーク公は着実に勢力を拡大し、ケント州で蜂起したジャック・ケードの一揆を操り、王の権力を揺さぶる。ケードは一時ロンドンに迫るが、急速に勢力を失い、逃走中忍び込んだ庭園の持ち主に殺される。またサフォーク公は、グロスター公の死を悲しむヘンリー六世によって追放され、フランスへ渡る途中海賊に殺害される。軍を率いてアイルランドから戻ったヨーク公は、かねてより要求していた政敵サマセット公の追放を王が実行しなかったことに憤り、ヘンリー六世を公然と誹る。こうして薔薇戦争の火蓋が切って落とされ、緒戦はヨーク側、白薔薇の勝利に終わる。