新国立劇場 演劇研修所
朗読劇 
少年口伝隊一九四五

  • 制作:新国立劇場 演劇研修所

  • 小劇場

〜ヒロシマの三人の少年たちの物語が再び上演されます〜

今年2月、日本ペンクラブ主催の世界P.E.Nフォーラム「災害と文化―叫ぶ、生きる、生きなおす。」のオープニング朗読劇として初演された朗読劇「リトル・ボーイ、ビッグ・タイフーン〜少年口伝隊一九四五〜」(作:井上ひさし 演出:栗山民也)。初演時から「リーディングというシンプルな上演形式であるが故に、戦争の被害、原爆の恐ろしさが、悲しさが、強くひびいてきた」「出演者のひたむきさに感動した」「ギターも効果的」「子供たちにも見せたい作品」と好評をいただいたこの朗読劇を、新国立劇場演劇研修所では再演する機会を探しておりましたが、9月16日に新国立劇場 小劇場で上演できる運びとなりました。奇しくも翌17日は戦後最大級の枕崎台風が広島を襲った日にあたります。これを期に、タイトルも「少年口伝隊一九四五」と改め、井上ひさし氏が加筆修正して上演台本を完成版に仕上げます。是非、この機会にご覧ください。

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ものがたり

昭和20年8月6日、一発の原子爆弾が広島の上空で炸裂した。一瞬にして広島は壊滅、そして多くの孤児が生まれた。かろうじて生き延びた英彦・正夫・勝利の三人の少年は、やはり運よく助かった花江の口利きで中國新聞社に口伝隊として雇われる。新聞社も原爆で何もかも失ったため、ニュースは口頭で伝える外なかったからだ。三人の少年は、人々にニュースを伝えながら、大人たちの身勝手な論理とこの世界の矛盾に気がついていく。やがて敗戦。しばらくすると正夫が原爆症を発症、ひょんなことから手榴弾を手にした勝利はある決意をする。そこへ戦後最大級の台風が広島を襲うことになる。