現代能楽集 鵺

  • 2008/2009シーズン

  • 世阿弥の能をもとに
    現代に潜む様々な“鵺(ぬえ)”を描いた新作に
    ジャンルを越えた実力俳優4人が挑む!


  • 小劇場
  • 作:坂手洋二
    演出:鵜山仁

    出演:坂東三津五郎
        田中裕子
        たかお鷹
        村上 淳

  • 公演日程

    公演日程

    開場は開演の30分前です。
    予定上演時間:約2時5分(休憩なし)
    託児室<キッズルーム「ドレミ」>がご利用になれます。
    ★終演後シアター・トークあり
    ●会場内に収録用のカメラが設置されます。予めご了承ください。

世阿弥晩年の作といわれる謡曲『鵺』をもとに、坂手洋二が時空を越えて妖怪“鵺”を描く渾身の新作が登場します。
“鵺”はもともと鳥のトラツグミを指していましたが、その声が夜の闇に不気味に響くことから、「鵺の声で鳴く得体の知れないもの」を呼ぶ言葉となり、サルの頭、タヌキの胴体、トラの手足、ヘビの尾などを持つ奇怪な姿で描かれてきました。
『平家物語』によると、近衛天皇の御所に、夜毎不気味な生物が出没して帝を悩ませたが、弓の名手・源頼政によって退治されたとされています。
作者は能の伝統性や形式性にとらわれるのではなく、原曲が「現在進行形の新作」として発表された際のダイナミズムに思いを馳せ、世阿弥をはじめとする先達が、なぜこの題材と劇構造を選んだかという「過程」に注目して、「鵺」の精神を現代によみがえらせようと試みます。
今日の『鵺』は、平安から現代、また日本からアジアへと舞台を移しながら、戦乱の世をさ迷い続ける敗残の悪霊、あるいは正史に名を残さなかった「まつろわぬ魂」との遭遇を描く、新たな“鎮魂の劇”です。
出演は、爽やかさと艶やかさを兼ね備えた歌舞伎界の花形・坂東三津五郎、たおやかさと強さを併せもつ田中裕子、たかお鷹、村上淳と、幅広く実力派俳優が集い、演出には鵜山仁芸術監督自らがあたります。世阿弥の古典能でも、三島の近代能でもない、現代の基層の再発見を目指す新作に、どうぞご期待ください。