焼肉ドラゴン

  • 2007/2008シーズン
  • 2008年4月17日(木)〜4月27日(日)  好評公演中!
    日韓合同公演 (字幕付)

    小劇場が焼肉屋に!?
    煙と笑いと涙に目をこする
          “日韓ビビンパップ
    (ごちゃまぜ)”演劇

    予告編(500k)

    2008年5月20〜25日 ソウル芸術の殿堂にて韓国公演
  • 小劇場

「小さな焼肉屋の、大きな歴史を描きたい」(鄭義信)
「大きな歴史の波紋の裏で、人生を乗り越えようとする人間の希望を歌いたい」(梁正雄)


これはある焼肉屋に刻まれた家族の物語です。
朝日舞台芸術賞グランプリを受賞した『その河をこえて、五月』に続く、ソウル・芸術の殿堂とのコラボレーション企画。単なる国際交流ではなくその作品性が高く評価された経験を生かし、今回は韓国でいま最も注目されている若手演出家・梁正雄と映画・舞台の第一線で活躍する韓国俳優陣を招いて前回を上回る舞台作りに挑戦します。
作・共同演出は岸田國士戯曲賞受賞のほか、「月はどっちに出ている」「血と骨」「愛を乞うひと」で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞・キネマ旬報脚本賞受賞など映画界でも人気シナリオ作家として活躍する鄭義信があたります。
舞台は万国博覧会が催された1970年(昭和45年)、高度成長の真っ只中。在日コリアンの経営する焼肉屋の家族が時代に翻弄されながらも必死に生きていく姿をとおして、日韓の過去、現在、未来が、楽しく、そして切なく描かれます。社会の矛盾や弱者へのまなざしを持った在日コリアンの鄭義信にしか描けない、まさに日韓交流にふさわしい作品です。
日本人キャストは演出家としても活躍する千葉哲也、CM・映画等での活躍がめざましい粟田麗、占部房子、韓国語落語を創作し活動の幅を広げた笑福亭銀瓶ほかユニークな出演者が集まりました。さらにミュージシャンもセリフと演奏で参加し、舞台を盛り上げるという、俳優、落語家、ミュージシャン、そして両国キャスト・スタッフが集結した二ヶ国語が飛び交う“ビビンパップ(ごちゃまぜ)演劇”、煙と笑いと涙に目をこすりながらお楽しみください。

ものがたり

万国博覧会が催された1970年(昭和45年)、関西地方都市。高度成長に浮かれる時代の片隅で、「焼肉ドラゴン」の赤提灯が今夜も灯る。店主・金龍吉は太平洋戦争で左腕を失ったが、それを苦にすることなく淡々と生きている。家族は、先妻との間にもうけた二人の娘、後妻・英順とその連れ子、そして英順との間に授かった一人息子……ちょっとちぐはぐな家族たちと、滑稽な客たちで、今夜も「焼肉ドラゴン」は賑々しい。ささいなことで泣いたり、いがみあったり、笑ったり……。
そんな中、「焼肉ドラゴン」にも、しだいに時代の波が押し寄せる…。