2010年芸術監督就任にあたって

尾高忠明

畑中良輔、五十嵐喜芳、Thomas Novohradsky、若杉弘。錚々たる先任の方々の功績で新国立劇場は素晴らしい発展を続けている。2010/2011シーズンからこの大役をお引き受けして、身の引き締まる思いであると同時に、自分自身、期待に胸がふくらんでいるというのも事実です。これまでの実績を踏まえ、さらなる前進を、と願っております。
より広く、より深く、そして楽しいということが必要と考えております。「より広く」は、より広い範囲の聴衆の方々にお越し願いたいこと、とより広範囲の作品も選んでいければと思います。「より深く」は、公演の質をより深く掘り下げることに加えて、現在の日本国民の心の深いところまで入り込める様な工夫も必要、と感じております。「そして楽しい」は言葉の通り、ご来場の皆様、歌手、オーケストラなど、公演に関わる総ての人々が楽しくあるべきと思います。
私の愛するウィーンの、例えようもない素敵なストーリーの『アラベッラ』がオープニングですが、森英恵さんの衣裳など、今からワクワクしています。また、大野、広上、高関の3人の日本人指揮者、そしてアルミンクという、今最もエネルギッシュに活躍する指揮者たちは新国立劇場に、新たな風を起こしてくれると確信しています。
皆様のご来場を心待ちにしております、と同時に大いにお楽しみいただければ幸せです。