オペラトーク「ウェルテル」を開催しました

来たる4月3日(日)にいよいよ初日を迎える新制作オペラ公演、マスネ『ウェルテル

公演に先立ち、3月26日(土)、指揮のエマニュエル・プラッソン、演出のニコラ・ジョエルをゲストに迎え、音楽ジャーナリスト・評論家の林田直樹氏の司会のもと、オペラトークをオペラパレスホワイエで開催いたしました。

まず最初に、指揮者のエマニュエル・プラッソンが登場。林田氏の「『ウェルテル』はフランスの『トリスタンとイゾルデ』だと述べた指揮者がいますが?」との問いに、「『ウェルテル』では、フランス的な様式とゲルマン的な暗いテーマが上手く補完し合っている。マスネは独自の音楽性にワーグナーを取り入れて成功した」と語りました。また、プッチーニとの比較では「マスネの音楽は慎み深さがあり、抑制のなかにドラマを表現している」、オーケストレーションについては「作曲当時の楽器は現代ほど音量がなく、歌とバランスが取れていた。父のミシェル・プラッソンは声を引き出すためにオーケストラを少し書き換えニュアンスを加えており、自分も父から学んだ」と興味深い話が伺えました。

続いて、シャルロットのカヴァーを務める山下牧子、シュミット役で本公演に出演する村上公太により『ウェルテル』を代表するアリア2曲、「手紙の歌」「オシアンの歌」が披露されました。(ピアノ:小埜寺美樹)歌唱の模様は下記でご視聴いただけます。

後半は、演出のニコラ・ジョエルを迎えてのトーク。ジョエルは、作曲家マスネについて「人の心に直接伝わる詩的な世界を表現できた特別な作曲家」とし、「ウェルテルはヒーローではなく、そのウェルテルという人物を掘り下げ、内面的、親密な世界を描いているのが本作の最大の魅力。マスネはドイツのローカルな側面には関心がなく、人間の心境をこの作品で描こうとした」と語りました。舞台装置・衣裳については「非常に厳格なプロテスタントのドイツ的なもの」になるとのこと。子供の合唱が印象的な本作、ウェルテルは「心穏やかではなく、外から来た人物」で、シャルロットとの出会いのシーンでは「シャルロットの美しさに心打たれるとともに、質素で暖かい家庭に迎えられ、幼少のころの記憶を思い出し感激したのでは」と語りました。「ウェルテルはシャルロットに魂の結びつきを感じ、一目惚れするのですが、それは叶わない愛なのです」。最後にお客様へのメッセージとして、「お仕事帰りには気分転換になる楽しいオペラをご覧になりたいかもしれませんが、『ウェルテル』は非常に悲しいオペラ。頑張ってご覧ください」とユーモアを持って締め括られました。


『ウェルテル』は4月3日に初日を迎えます。どうぞご期待ください。


エマニュエル・プラッソン
ニコラ・ジョエル
山下牧子
村上公太




   エマニュエル・プラッソン、林田直樹
   村上公太、山下牧子、林田直樹





山下牧子「手紙の歌」、村上公太「オシアンの歌」