飯守泰次郎オペラ芸術監督による16/17シーズンオペラ演目説明会が開催されました


1月28日(木)『魔笛』公演終了後、飯守泰次郎芸術監督による2016/2017シーズンオペララインアップ説明会が開催されました。以下では、約1時間に渡った説明会から、一部をご紹介します。


飯守泰次郎オペラ芸術監督

2016/2017シーズンはコントラストを強調したラインアップ

私の第1シーズンは比較的オーソドックスな演目を並べ、第2シーズンはバラエティに富んだプログラムを組みました。第3シーズンとなる2016/2017シーズンは、コントラストを強調したラインアップとなっています。「ニーベルングの指環」より『ワルキューレ』と『ジークフリート』――哲学的で重いワーグナー作品と、その対極にあるベルトカント・オペラの傑作『ルチア』を新制作で上演します。再演演目もイタリア・オペラが多く並んでおり、重厚なワーグナー作品とイタリア・オペラ、このコントラストをお楽しみいただければと思います。


ワーグナー「ニーベルングの指環」より『ワルキューレ』『ジークフリート』について

ワーグナーの「指環」はオペラ史上最大のスケールを持つ作品。権力、愛、自然破壊など現代に通じる普遍的な内容を持っており、「世の中が救済されるために私たちが何をすればよいのか」というワーグナーからの問題提起です。この作品を東京で今上演するということには大きな意味があると考え、昨年から3年がかりで取り組んでいます。

演出はドイツの巨匠ゲッツ・フリードリヒが晩年にフィンランドで手がけたプロダクション。奇をてらわず音楽に寄り添う一方で、彼独特の読み取りが詰まっている秀逸なプロダクションです。過去に上演されたものを単に繰り返すのではなく、フリードリヒ演出の創造性、普遍性を深めた上演にしたいと考えています。
『ワルキューレ』は「指環」の中で最も愛されており、単独で上演されることも多い作品。登場人物の内面の葛藤、心情が描かれ、叙情的で美しい作品です。一方、『ジークフリート』は交響曲に例えると第3楽章、スケルツォに当たります。恐れを知らないジークフリートの破壊的なエネルギーと透明で繊細な音楽、その両方が詰まっています。「森のささやき」の透明な美しさ、ジークフリートがブリュンヒルデの眠る岩山に辿りついた場面、澄み切った上空を描くようなヴァイオリンの美しさ......

キャストについて。この「指環」でテノール4役に出演するステファン・グールドは、『ワルキューレ』ジークムント役はこれまでコンサート形式で歌っただけで、舞台上演では新国立劇場で初めて演じることになります。グールドの『ジークフリート』タイトルロールは当代随一の当たり役です。『ワルキューレ』ヴォータンと『ジークフリート』さすらい人を歌うグリア・グリムスレイは、3月の『サロメ』ヨハナーンで新国立劇場に初登場予定。ヴォータン/さすらい人はMETでも大成功を収めており、風格ある豊かな声が魅力です。『ワルキューレ』には、新国立劇場でもおなじみのエレナ・ツィトコーワをフリッカに、世界的なドラマティック・ソプラノであるイレーネ・テオリンをブリュンヒルデに、ビルギット・ニルソンの再来との呼び声が高い若手ジョゼフィーネ・ウェーバーをジークリンデに迎えます。『ジークフリート』では、『ラインの黄金』で好演したアンドレアス・コンラッド(ミーメ)、クリスタ・マイヤー(エルダ)、トーマス・ガゼリ(アルベリヒ)、クリスティアン・ヒュープナー(ファフナー)がそれぞれ同じ役で再登場します。また、ブリュンヒルデは、昨年の『さまよえるオランダ人』ゼンタが素晴らしかったリカルダ・メルベートが演じます。



ドニゼッティ『ルチア』について


ドニゼッティ『ルチア』では、ワーグナーと全く異なる世界をお楽しみいただけます。1に声、2に声、3に声というぐらい自然な声の美しさ、オペラの醍醐味を堪能いただける作品です。声そのものが感覚的、直接的に聴き手の心を揺さぶります。スコットランドの実話に基づいており、ストーリーは奥深く残酷で、シェイクスピアを思わせます。

タイトルロールに迎えたのは、コロラトゥーラのスター歌手、オルガ・ペレチャッコです。彼女をキャスティングできたことは非常に幸運です。ルチアの苦しみ、絶望を見事に歌い上げ、お客様もきっと彼女の虜になることと思います。エドガルド役は、ペレチャッコの相手役をたびたび務めているイスマエル・ジョルディ、エンリーコ役は凄みのあるベテラン、アルトゥール・ルチンスキーです。指揮はベルカント・オペラに定評のあるジャンパオロ・ビザンティです。

演出は、2007年からモンテカルロ歌劇場総監督を務めているジャン・ルイ=グリンダ。誰もが納得できる明晰な舞台を作られる演出家です。ベルカント・オペラに向いていると思い、お願いしました。

今回の『ルチア』狂乱の場では、通常フルートで演奏されるところをグラスハーモニカで演奏します。ドニゼッティは当初グラスハーモニカでの演奏をイメージしていたようです。グラスハーモニカは、不思議でこの世のものではないような音色を持ち、人の心を惑わせると演奏を禁じられたこともありました。ペレチャッコとグラスハーモニカによる「狂乱の場」をどうぞご堪能ください。



再演演目について

再演演目については、単に繰り返しになるのではなく、常に新しい創造となるよう意識しています。新鮮なスターと信頼できるベテランをキャスティングしました。

2016/2017シーズンも、新国立劇場オペラにどうぞご期待ください!

2016/2017シーズン オペラ ラインアップ



2016/2017シーズンセット券 発売中です

 【会員優先受付】2016年2月29日(月)[必着]まで

 【一般先行受付】2016年3月31日(木)[当日消印有効]まで

 上記受付期間を過ぎた後は順次受付となります

~セット券購入は新国立劇場友の会「クラブ・ジ・アトレ」入会がおすすめです~

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    大原永子 舞踊芸術監督による2016/2017シーズン演目説明会

    日時:2016年2月7日(日) バレエ「ラ・シルフィード/Men Y Men」14:00公演終了後 
    会場:オペラパレス客席

     

    ※入場無料・自由席・予約不要です。

    当日の公演チケットをお持ちでない方は、公演終了後に客席にご案内いたします。