愛の妙薬

  • 2012/2013シーズン
  • Gaetano Donizetti:L´elisir d´amore
    ガエターノ・ドニゼッティ/全2幕
    【イタリア語上演/字幕付】
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  • オペラ劇場

嘘の薬とまことの恋。幸せな気持ちになれるベルカント・オペラの名作 !

「愛の妙薬」ダイジェスト映像

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アディーナ役ニコル・キャベル動画インタビュー

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“イタリア・オペラにオペラの原点を置く考え方は不動のもの。オペラはやはり、声の饗宴であることが大変重要だ”。こう考える尾高芸術監督任期3シーズン目の演目選定では、名実ともに高い人気を誇るヴェルディ、プッチーニのみならず、素晴らしい作品を世に送り出した他の作曲家たちも取り上げます。イタリア語で“美しい声のオペラ”を意味するベルカント・オペラの代表作でもあるドニゼッティの傑作『愛の妙薬』。ロッシーニやベッリーニと並び19世紀のイタリア・オペラにおける重要人物で、ドニゼッティなくしてヴェルディも、プッチーニも語ることはできません。このプロダクションは、2009年にリエヴィの演出で新制作されたものです。『トリスタンとイゾルデ』の恋話を聞いた青年ネモリーノが、村一番の美人アディーナへの恋に目覚め奮闘する物語。9メートルもある本や文字、実物大の小型飛行機などを舞台上に登場させながら、遊び心と的確な心理描写で好評を博したプロダクションです。ネモリーノ役には09年『チェネレントラ』で大好評を博したシラグーザ、アディーナ役には甘く美しい声で飛躍的に活動の場を広げるキャベル(12年4月の『ドン・ジョヴァンニ』ドンナ・エルヴィーラにも出演予定)、ベルコーレ役には11年高校生のためのオペラ鑑賞教室(関西公演)の同役で高校生たちの心をつかんだ成田博之が本公演の舞台に立ちます。尾高芸術監督は、新国立劇場第二代オペラ芸術監督でもある故五十嵐喜芳氏と何度も共演した作品で、氏のアリア〈人知れぬ涙〉の名唱が多くの人々の心に焼き付いている、思い出深い名作でもあると語っています。

ものがたり

バスク地方の農村。村人たちが集い、農場の娘アディーナはひとり本を読んでいる。青年ネモリーノは、彼女に恋しているが見向きもされない。軍曹のベルコーレもアディーナに目を留める。インチキ薬売りのドゥルカマーラが村にやってきて、ただのワインを一日後に効き目が出る“愛の妙薬”(惚れ薬)と偽りネモリーノに売りつける。軍曹がアディーナに“指令で別の土地に移動することになってしまった。今日中に結婚しよう”と告げる。ドゥルカマーラから買った惚れ薬の効果が出る前に、アディーナを恋敵に奪われまいとして、結婚を1日だけ待ってほしいと懇願するネモリーノをベルコーレが罵る。ネモリーノはひとり、インチキ薬売りに助けを求める。結婚を控えたアディーナと軍曹の祝いの席。彼女は、ネモリーノが見当たらないことに気づく。ドゥルカマーラは花嫁を相手に余興の芝居を行う。一方、ネモリーノは高価な妙薬の代金に充てるため、ベルコーレに入隊を志願する。村娘ジャンネッタが現れ、ネモリーノに莫大な遺産が転がり込んだと村の娘たちと噂する。
これを知らないネモリーノは、突然もてはやされたのは薬の効き目だと勘違い。アディーナは、ネモリーノが自分のために軍隊に入ったと聞き、その強い愛情に心を動かされ、ネモリーノの入隊契約書を買い戻す。ネモリーノも彼女の本心を悟って名アリア〈人知れぬ涙〉を歌う。本心を打ち明けた二人は結ばれ、ベルコーレは潔く二人を祝福する。村を去っていくドゥルカマーラを、一同がにぎやかに見送る。