平成21年度(第64回)
文化庁芸術祭祝典
国際音楽の日記念
メリーメリー・ウィドウ 祝祭版
〜ちょっと陽気な未亡人〜

  • 全3幕(原語上演(台詞のみ日本語)/字幕付)
  • オペラ劇場

ウィーンの小粋な香りが漂う ガラ・オペレッタ
「メリーメリー・ウィドウ」祝祭版 〜ちょっと陽気な未亡人〜


今年度の芸術祭祝典は「メリーメリー・ウィドウ」祝祭版 と題し、オペレッタ「メリー・ウィドウ」をベースにした、ちょっと陽気な作品を上演します。
 オペレッタは19世紀末のウィーンを中心に盛んに上演された「喜歌劇」とも呼ばれる、オペラと芝居の美味しい部分を合わせたもの。オペレッタにはオペラとは異なる約束事があります。それは「最後は必ずハッピーエンド」になることです。世の中いろいろありますが、そんな塞いだ気持ちなんて笑ってしまおう……と当時から多くの人々の共感と喝采を浴びてきました。
 皆様と共に暗い空気を吹き飛ばし、朗らかに今の時代を乗り越えたい、そんな願いをこめて今回の公演をお贈りします。
 さて、この「メリーメリ−・ウィドウ」、本場ウィーン・フォルクスオパーで長年活躍した中嶋彰子と、今や内外に目ざましい活躍を見せる新国立劇場オペラ研修所出身の俊英若手歌手たちが、指揮者・現田茂夫と共におしゃれでウィットに富んだ舞台を作ります。
 芸術祭のオープニングに相応しい小粋で楽しい公演に、どうぞご期待ください。

ものがたり

パリにある小国ポンテヴェドロ大使館でのパーティー。ツェータ男爵は、莫大な遺産を相続した若く美しい未亡人ハンナが他の国の男性と再婚し、母国ポンテヴェドロの財産が外国へ流出することを案じています。ツェータはその対策として大使館勤務のダニロとハンナと結婚させようと思いつきます。若い頃、相思相愛でありながら身分の差で結ばれなかったこの二人は、もう一度互いの気持ちを探り合い、駆け引きをし合うものの、彼女の財産目当てに接近するパリの伊達男のカミーユが登場して、なかなかうまく事が運びません。しかし、紆余曲折の末、二人はめでたく結ばれます。
第一幕の大使館場面では、民族色溢れる名曲演奏をいくつか挟み、第二幕では、ハンナ邸のパーティ場面から『こうもり』のオルロフスキー公爵邸のパーティ場面へワープ。その嬌声に釣られて、『椿姫』のヴィオレッタも登場してきます。そして、ふと気がつくとハンナ邸の華やかなパーティに戻っているという趣向を凝らせています。

主催:文化庁芸術祭執行委員会
制作:新国立劇場