地域招聘公演
月を盗んだ話

  • Carl Orff:Der Mond
    カール・オルフ/全2幕(休憩あり)
    【日本語訳詞上演】
  • 小劇場

全国各地の優れた作品を新国立劇場との共催で上演する「地域招聘公演」。今回は札幌室内歌劇場を招聘します。本作品は2005年10月に札幌市・北方圏学術情報センター・ポルトホールで初演。この度、新国立劇場小劇場での公演に向けて再度練り上げて公演に臨みます。札幌で精力的に活動を続ける札幌室内歌劇場が新国立劇場に初登場です。

〈札幌室内歌劇場プロフィール〉
1990年に発足。以来、歌手、器楽、作曲、演出、美術など総合的なメンバーで毎年欠かさずオペラを上演し続けてきた。オペラ以外にも、独創的なテーマと構成で、クラシック音楽の魅力をつたえる音楽会、また身近に楽しんでいただくためのコンサート、専門家や愛好家のための音楽講座やワークショップを開催する。2008年「日本オペラ連盟」に加盟。2008年12月までに、上演したオペラは29作品。再演を含め上演回数は65回。コンサートと講座は合わせて178回に及び、オペラ団体として、北海道のトップランナーを自負する。

ものがたり

【1幕−1 よその村】
 むかし、まだ夜の空にお月さまが無かったころ、だれもが不便な生活をしていました。あるとき、4人の女がよその村を訪ねると、木の上に不思議な「月」というものが吊られていて、村中を照らしていました。女たちは、これは便利と「月」を盗みます。
【1幕−2 自分の村】
 4人の女の村では「月」が照らす夜の明るさに、みんな喜びます。それから時は流れ、4人の女が年老いて死ぬ時、村人は「月」を4分の1ずつ棺に入れてあげます。そして4人目が死ぬと、村の夜は真っ暗になってしまいます。
【2幕 地下の世界】
 死んだ4人の女は、持ってきた「月」を地下の世界で灯します。するとつぎつぎ死者たちがよみがえり、パーティーが始まります。
 その騒ぎを聞きつけた天のペトルス。地下の世界に降りて来て、死者たちをどんどん酔っぱらわせます。ペトルスはその間に「月」を地下の世界から運び出し、空高く吊るします。
  ‥‥ それ以来、夜の空にはお月さまが輝き、全ての村を照らすようになりました。

主催:札幌室内歌劇場/新国立劇場
協賛:北海道国際航空株式会社
助成:日本芸術文化振興会/北海道文化財団/伊藤組100年記念基金
後援:札幌市/札幌市教育委員会
協力:日本オペラ連盟