道を踏みはずした女(ラ・トラヴィアータ)と青年アルフレードの、甘美な純愛物語り。
ヴェルディのオペラ・セリア三大傑作の1つともいわれる人気作品です。革新的作品としての側面も持ち、流麗な音楽は形式よりも登場人物の感情表現に重きが置かれ、テーマには従来の壮大な歴史物語ではなく作曲当時に生きた高級娼婦をヒロインに純愛悲恋が描かれています。ヨーロッパでカペルマイスター(劇場専属指揮者)や音楽総監督として活躍する上岡敏之(新国立劇場初登場)が劇場叩き上げの実力で話題のコロラトゥーラ・ソプラノのモシュクら豪華歌手陣と共演します。
パリの高級娼婦ヴィオレッタは、豪富の息子アルフレードからの求愛にためらいながらも、真撃な愛に心を開く。二人は郊外で一緒に暮らすが、アルフレードの父ジェルモンがヴィオレッタを訪ね、自分の娘の縁談のためにもこのスキャンダラスな関係を終わらせるよう頼む。ヴィオレッタは涙をのんで身を引く。これを裏切りと捉えたアルフレードは夜会で彼女を罵倒するが、やがて誤解とわかった時は既に遅く、再会に喜ぶヴィオレッタは病床で愛するアルフレードの腕に抱かれ息絶える。