研修所ニュース

栄養学村田先生による 【若手芸術家のための栄養学】「しょうがを食べて免疫力アップ」

 バレエ研修所でいつも「成長期のダンサーのための食事の取り方について」教えて頂いている講師の村田裕子先生による

「舞台芸術を志す若手芸術家の方々の体調管理にも役立つような"美味しい"お話」年内最後のニュースとしてお届け致します。第6回目は【しょうがを食べて免疫力アップ】をご紹介します。

- 新国立劇場バレエ研修所 栄養学講師 村田裕子先生による -

しょうがを食べて免疫力アップ

 若手芸術家にとって年末年始は舞台出演も多く、食生活や生活のリズムも乱れがち。なおかつ、風邪やインフルエンザの原因となる細菌やウィルスに気をつけなければならない季節でもあります。

 風邪やインフルエンザにかかりにくい丈夫なからだを作るには、免疫力を高める必要があります。免疫力とは、外からやってくる病原体などの異物や、体内で生じた異常な細胞などを排除して自分のからだを守る力のことをいいます。免疫力ともっとも関わりが深いのが、血液です。血液の血球成分は、赤血球、白血球、血小板に分けられますが、その中でも体内に侵入した病原菌と戦うために活躍するのが白血球です。私たちのからだと外界の最初の接点になる粘膜は、病原菌が体内に侵入しようとすると鼻水などの粘液を作り出して、侵入を防ごうとします。それでもガードしきれずに体内に病原菌が侵入してくると、白血球はチームで戦い、病原体を退治してくれます。

 白血球パワーや免疫力を大きく左右するのが食事です。免疫や抗体などのもととなる肉や魚などのたんぱく質や、免疫細胞を活性化するビタミンやミネラルは野菜からとることが基本です。さらに冬場はからだを温める食生活の工夫も重要になります。体温が1度下がると、免疫力は約30%低下してしまうといわれます。からだを温めるおすすめ食材といえば、しょうが。しょうがは、古くから風邪や冷え性などに効くとされてきました。ジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオールなど数々の有効成分が総合的に作用し、からだを温める働きのほか、血行促進、新陳代謝を活発にし、発汗作用を高めます。さらには強い抗酸化作用や殺菌作用もあり、免疫力アップにつながります。また、しょうがは食事に限らずおやつやドリンクなどにもとりいれやすい身近な食材。豚のしょうが焼きにたくさんしょうがを入れたり、おやつにドライジンジャーを食べたり、紅茶におろししょうがを加えたり・・・。毎日の生活の中でしょうがをこまめにとりいれて、免疫力アップを心がけましょう。

「しょうがとねぎの豚肉ロール」

しょうがを野菜のように楽しめるおかずです。

豚肉には良質なたんぱく質やビタミンB1が豊富。

しょうが、青ねぎとトリプルで免疫力を高めてくれます。

血行促進、疲労回復、貧血防止にも。

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 「しょうがとれんこんのすりながし汁」


 しょうが、れんこんはともに漢方や薬膳でもおなじみ食材。 

 飲んだとたんにからだがぽかぽか。 

 風邪で食欲がないときにもおすすめです。

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 「しょうがとくるみの焼きりんご」


しょうがは甘さともよくマッチする素材。

りんごのやさしい甘さの中に

しょうがのスパイシーさがアクセントになった

風味豊かでヘルシーなデザートです。

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*疲れの出やすい年末年始にぜひお試しください。