研修所ニュース

栄養学村田先生による 【若手芸術家のための栄養学】「舞台やオーディションに向けて、本番前の食事」

 バレエ研修所でいつも「成長期のダンサーのための食事の取り方について」教えて頂いている講師の村田裕子先生による

「舞台芸術を志す若手芸術家の方々の体調管理にも役立つような"美味しい"お話」今月もニュースとしてお届け致します。

第5回目は【舞台やオーディションに向けて、本番前の食事】をご紹介します。

 

- 新国立劇場バレエ研修所 栄養学講師 村田裕子先生による -

舞台やオーディションに向けて、本番前の食事

 

 新国立劇場も2015/2016のシーズンが開幕。若手芸術家にとっても発表会などの舞台や、入団オーディションに向かって、本番へとつないでいく大切な時期となりました。

 本番までの練習やリハーサルがハードになると、肉体的にも疲労がたまります。また精神的な興奮や緊張も伴うと、消化吸収にも影響を及ぼします。いつもどおりの消化吸収ができず、気持ちが悪くなったり、胃もたれしたり、下痢をしたり、ときには食事がとれなくなってしまうことも。一方、緊張すると食欲が増し、食べ過ぎてしまうというタイプの人もいます。本番で練習以上の力を発揮できるよう、自分のからだの声をよくきいて、食べるものの内容、質、量をコントロールしましょう。

 全体的に体力が低下しているときは、なるべくからだに負担をかけない消化吸収のよい食事が基本になります。その上で体力の回復を促すためには、より多くのたんぱく質を摂りいれてください。たんぱく質は、火の通りやすい食材、あるいは細胞の細かいひき肉や魚を選ぶことがポイントです。加熱時間が長くなるとたんぱく質を構成するアミノ酸が変化して、ぎゅっと凝縮して、消化吸収に時間がかかってしまうからです。

 たんぱく質を軸にして、エネルギー源となる糖質、エネルギーの代謝に必要なビタミン・ミネラルもしっかり確保してください。具だくさんごはん、具だくさん煮込み、具だくさん鍋にすると、たんぱく質、糖質、野菜を同時にたくさん食べることができます。糖質もごはんだけでなく、お餅や春雨、芋類を組み合わせるとメニューのバリエーションも広がります。

 そのほか安定した体調を維持できていたとしても、お刺身や生野菜などの生もの、油の多い揚げ物や中華料理、スパイスの強いカレーなどは避けた方が無難です。ほか、ごぼうなど食物繊維の多いものは、普段は不足しがちなので摂ることをすすめる栄養素ですが、下痢やガスを発生しやすいので食べる量やタイミングには注意が必要です。

 

 えのき入り鶏そぼろ丼

三食丼.jpg 

  たんぱく質は鶏肉と卵でダブルで摂取。

  

  鶏そぼろにきのこを加えて低カロリーにアレンジしました。

  

  えのきにはミネラルや免疫力を高める成分も豊富です。

  

  えのきの水分でそぼろもしっとり。

  

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 チキン・ストロガノフ                            チキンストロガノフ.jpg

 

 むね肉は疲労回復に効果のある食材として注目されています。

 

 じゃがいもは糖質のほか、ビタミンCの確保にもおすすめの食材。

 

 ルーを使わず、マッシュポテトをベースにしたソースにすると消化がよくなります。

 

 ピクルスを隠し味に加えてごちそう風の一皿に。

 

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たらの雪見鍋

たらの雪見鍋.jpg 

たらは高たんぱく質、低脂肪の白身魚ですが、 

 

黒ごま入りの衣をつけて、香ばしさとボリュームをプラスしました。

 

お餅はコンパクトにエネルギー補給のできるすぐれた糖質源。

 

大根には消化酵素ジアスターゼやかぜ予防に有効なビタミンCも

 

含まれますが、いずれも熱に弱いので、仕上げに加えます。

                     

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   ☆からだに負担をかけない消化吸収のよい食事で、発表会やオーディションを乗り切りましょう。 ぜひお試し下さい。