新国立劇場バレエ研修所 栄養学講師 村田裕子先生による【若手芸術家のための栄養学】
バレエ研修所でいつも「成長期のダンサーのための食事の取り方について」教えて頂いている講師の村田裕子先生による
「舞台芸術を志す若手芸術家の方々の体調管理にも役立つような"美味しい"お話」今月もニュースとしてお届け致します。
第2回目は【玄米でおいしく、かんたんスタミナごはん】をご紹介します。(バレエ研修所)
- 新国立劇場バレエ研修所 栄養学講師 村田裕子先生による -
【若手芸術家のための栄養学】
第2回
蒸し暑さの増す六月の入梅の頃から、残暑がひと段落する九月ごろまでは、誰もが夏バテで体調をくずしがち。成長期のダンサーや若手芸術家にとっても健康管理という意味で、より質の高い食事管理が求められる時期です。
暑い夏の盛りでも、全力で活動できるスタミナをつけたいならば、食事と栄養の摂り方を見直してみましょう。一般的に肉を食べればスタミナがつくと考えがちですが、実はごはんやパンなどの主食、炭水化物との組み合わせがとても重要なのです。やせたいがために、ごはんを減らして、おかずだけを食べている女子がいますが、成長期の糖質制限は悪いことはあっても良いことはひとつもないのです。
人間はみんな筋肉や内臓を動かすときにエネルギーを消費します。ダンサーや若手芸術家は、一般の人に比べて運動量が多いので、より多くのエネルギーを必要とします。
エネルギー源となる栄養素には糖質、脂質、たんぱく質があり、三大栄養素と呼ばれます。中でもエネルギーとしてもっとも多く使われるのが糖質です。糖質がからだに入るとグリコーゲンという物質となり、一時的に筋肉や肝臓に蓄えられます。必要な時にこのグリコーゲンはどんどん分解され、エネルギーとして使われるのです。からだを電化製品に例えれば、グリコーゲンは電池のような役割を果たすのですが、油断するとすぐ使われてなくなってしまうという欠点があります。筋肉や肝臓の貯蔵量には限界があるため、グリコーゲンの材料となる糖質はこまめに摂るという食べ方もとても大切です。
もちろん糖質はチョコレートやクッキーなど砂糖の入ったお菓子からでも補えますが,おなかを満たしてはくれません。ごはんは水分が多く重さもあるので満腹感があります。パンに比べて低脂肪でもあり、スタミナをサポートするのにとても適した糖質といえます。中でも玄米や雑穀は、糖質の代謝を促すビタミンB群やミネラル、食物繊維も含む優秀な食材。白米をいきなり玄米に変えるのは難しくても、組み合わせる食材や味付けでぐんと食べやすくなります。毎日玄米ごはんとたんぱく質をバランスよく食べる、そうした習慣の積み重ねでスタミナにも大きな差が出るはずです。
栄養満点の料理3品をご紹介します!
ガーリックチャーハン ベジタブルミートピラフ 玄米のクスクス風サラダ仕立て
写真① 写真② 写真③
写真① 【ガーリックチャーハン】 レシピはこちら
スタミナアップに、夏ばて防止に、疲労回復にと、にんにくをたっぷり加えたパワーごはん。
にんにくはこげないようにいったん取り出して、あとで加えましょう。
玄米ごはんだからぱらぱらで香ばしく仕上がります。
写真② 【ベジタブルミートピラフ】 レシピはこちら
抗酸化パワーの強力な野菜を組み合わせた人気のケチャップライス。
トマトのリコペン、パプリカのカプサイシンは、暑さによる疲労やストレス解消にも有効です。
じっくり炒めることでかさも減り、野菜のうまみと栄養が凝縮されます。
写真③ 【玄米のクスクス風サラダ仕立て】 レシピはこちら
クスクスはモロッコやフランスでおなじみの米粒よりも小さなパスタ。
クスクスのサラダ、タブーレを玄米でアレンジすれば、糖質の代謝を促すビタミンB群やビタミンCも豊富になります。
食べごたえもあるのでサラダ好きの女子におすすめ。
ぜひお試しください!