新国立劇場バレエ研修所 栄養学講師 村田裕子先生による【若手芸術家のための栄養学】
バレエ研修所では、以前から成長期のダンサーのための食事の取り方について、研修所の栄養学講師である村田裕子先生に教えていただいています。ダンサーだけでなく、舞台芸術を志す若手芸術家の方々の体調管理にも役立つような"美味しい"お話ばかりですので、ニュースとしてお届けすることに致しました。第1回目は「ストレスに負けない食事作りの仕方」をご紹介します。(バレエ研修所)
村田裕子先生による【若手芸術家のための栄養学】第1回
新国立劇場バレエ研修所では新しい研修生、予科生を迎えてひと月が過ぎようとしていますが、全国各地でも未来のプロのダンサーを目指すたくさんの人たちが、新しいお稽古場や上級のクラスで、新生活をスタートしたことでしょう。
五月は、一年でいちばんすがすがしい新緑の季節ですが、ゴールデンウィーク明け頃からは、張りつめていた心の糸がゆるみ、心身ともにバランスを崩しやすい時期でもあります。
レッスンに集中できない、なんとなくからだがだるいなどといった症状が出たら要注意!ストレスによる五月病のサインかもしれません。強いストレスが蓄積する前に食生活を見直してみましょう。
ストレスに負けないからだを作るためには、「たんぱく質」「ビタミンC」「カルシウム」「マグネシウム」などの栄養素をしっかり確保することが大切です。ストレスがかかると、からだはもとの状態に戻そうと働きはじめます。「たんぱく質」を分解して免疫力を高めたり、「ビタミンC」の助けを借りてストレスに対抗するホルモンを作ったり、脳の神経に「カルシウム」や「マグネシウム」を送りこんでイライラを鎮めたりするのです。
特に成長期のダンサーにとっては、しなやかな筋肉や丈夫な骨のもととなる「たんぱく質」「カルシウム」「マグネシウム」はいつも意識してとりたい重要な栄養素。ストレスにかかりやすい時期は積極的に底上げしておく必要があります。
きちんと食べて、しっかりからだを動かし、ぐっすりと眠る。そんな一日のリズムが整えば、いつのまにかストレスから開放され、レッスンの質もあがってくるはずです。
栄養満点の料理3品をご紹介します!
写真① 写真② 写真③
②③撮影:鈴木正美/studio orange
①豚ひれ肉とぱりぱりキャベツのアーモンドみそ(写真①)※レシピはこちら
・・・豚肉に豊富なビタミンB1も脳を活性化する栄養素のひとつ。
ビタミンB1をパワーアップさせるねぎ、にんにく入りのアーモンドみそで、
カルシウムやマグネシウムを摂取。旬のキャベツにはビタミンCが豊富に含まれます。
②しりしりにんじん(写真②)※レシピはこちら
・・・しりしりにんじんは、沖縄の家庭料理。
ツナのEPA、DHA、卵のコリンも脳の働きを安定させる効果があります。
にんじんを油で炒めることでビタミンAの吸収率や甘みもアップ。
おべんとうにもおすすめの彩りのよい常備菜です。
③バナナとオレンジのココアミルク(写真③)※レシピはこちら
・・・バナナ、オレンジ、ココアの相性はスイーツでもおなじみ。
ビタミンC、マグネシウムが牛乳のカルシウムの吸収をサポートします。
食物繊維、ポリフェノールとからだに嬉しい栄養素を上乗せした、
さわやかな香りでリラックス気分も高まる黄金の組み合わせ。
*ぜひお試しください。